国際家具インテリア見本市ミラノサローネをレポート

ミラノ・サローネ ミラノ
ミラノ・サローネの会場。開催期間中は世界中から人が集まります。
ミラノ

「ミラノ・サローネ」とはミラノでは「ミラノ・コレクション」と同じぐらい有名な年に一度の大きな国際的イベントです。サローネというのは元々イタリア語で展示会という意味。ミラノでサローネといえば家具インテリアの国際展示会のこと。ミラノにて1961年から開始され現在世界一の規模を誇る大きな家具市であり、世界中から千何百という企業が参加しています。地元イタリアの企業が多いですが北欧やアジア、アメリカなどといった世界各地の家具メーカーが集う、まさに最先端のデザイン、インテリアの発表会とも言えるでしょう。毎年4月に行われるこのサローネ、今年2008年は16日から21日まで開催されました。年々規模が拡大し、今年は世界中から34万8千人がこのイベントに訪れました。

家具やインテリアということにあまり詳しくない僕ですが、このサローネの取材に行ってきました。というのもこのサローネにやってくる人のほとんどが関係者で、いわゆる専門的な人たちばかりだからです。事前に日本語の公式ページをインターネットで調べましたが、一般の入場は20日のみと書かれていました。もしかしたら僕は入場できないんじゃないかと思って心配しましたが、一応会場に向かいました。

会場はミラノの地下鉄赤線(linea M1)の西側最終駅RHO FIERA(ロ・フィエラ)という場所です。ミラノの赤線(linea M1)は中心地ドゥオーモから乗る場合RHO駅行きと、BISCEGLI駅E行きの電車が交互にやってきます。間違って違う電車に乗らないように気をつけてください。
ミラノ中央駅(Centrale FS)から行く場合は、まず地下鉄緑線(linea M2)に乗ってCadorna(カドルナ)で地下鉄赤線(linea M1)に乗り換えて、最終駅RHO FIERA(ロ・フィエラ)に行きます。
ミラノ地下鉄の路線図はミラノ地下鉄サイトで確認できます。https://www.atm.it/

ミラノ地下鉄の路線図
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地下鉄に乗るとそこにはすでにいつもと違う空気が流れていました。サローネのパンフレットを持った、北欧の人々や日本人、そして耳を澄ませると英語も聞こえてきました。やっぱり「サローネ」というのは国際的なイベントなんだなと実感しました。この時期ミラノ全体が観光客で溢れかえり、どこのホテルも予約でいっぱい。普段はそれほど込むことのないミラノの地下鉄ですが、RHO駅に着くころには朝の東京のラッシュのようでした。このサローネの時期にはミラノの街中全体でライブや、個展、いろんなイベントが行われ町中がお祭り騒ぎのようになります。一般的にはRHOで行われる家具展をサローネ・デル・モービリ(Salone del Mobile)、そして街中のイベントなどをフォーリ・サローネ(Fuori Salone)と呼びます。

Milano Salone
ミラノRHO駅の様子。会場までの通路はとても混雑していました。まるで東京の通勤時間のようです。

RHO駅を降りるとサローネの会場までは空港内のように平面エスカレーターが続いています。ミラノサローネは規模の拡大に伴い、2年前からここRHOに場所が移りました。この会場は車の展示会や各種商業的なイベントが行われるミラノでも新しい施設です。イタリア人建築家マッシミリアーノ・フクサスが設計し、美しい現代建築としても有名で、現在2015年のミラノエキスポに向けて近辺にはホテルなどが新たに建築されています。

サローネ会場に到着するとチケット売り場に向かいました。Reception 1-3という場所にて購入できます。チケットを買う時に名前や住所、職業などを記入しなくてはいけないのですが、受付の人が親切に教えてくれました。僕は関係者ではないのですが、チケットが買えたのでどうやら入場できるみたいで一安心。一般入場は20日のみと書いてあったのですが、どうやら誰でも入れるみたいです。最近イタリアではインフレの影響が強く、観光地など年々値段があがっているような気がします。サローネの値段も上がっていて1日券20ユーロ、3日券40ユーロ、6日券が52ユーロでした。毎年値段が変わるのでその都度チェックしてください。会場内にはレストランや専門書の販売コーナー、インフォメーションセンターなどが設置されています。

Milano Salone
ミラノ・サローネの入り口の様子。この日は混雑していましたが、手続きはスムーズに流れていました。

この会場はとても大きく全体を一日ですべて見ることはほとんど無理と言っていいでしょう。すべての展示を見て歩くには14キロ以上歩かなくてはいけないと言われています。24つからなる建物ごとに各テーマが決まっていてクラシック家具、デザイン家具、モダン家具、キッチン、トイレ、バス、オフィスなどの建物にそれぞれ別れています。建物内はまるで京都の街の碁盤の目のように各ブースが並んでいます。

サローネは国際家具見本市であると同時に世界の中における新作のインテリアデザイン発表の場とも言えます。そこでは今までにある日常の価値観をインテリアや家具という演出によって変えてしまうという新たな日常性への追及を感じ取ることができました。インテリアや家具などの専門的知識などがなくても十分に楽しめるイベントだと思います。

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