ボルセーナの奇跡から大聖堂が誕生
オルヴィエートの荘厳なドォオモの建設は、1290年11月13日にかつて教会が建っていた跡に、『ボルセーナの奇跡』を記念するために始められました。
伝えられるところによれば、1293年ころにボルセーナの聖クリスティーナ教会でミサを行っていると、パンからキリストの血が滴りはじめ、聖餐布を血に染め始めました。この奇跡を聞いた、当時オルヴィエートに滞在していた法王ウルバーノ4世の命でこの聖なる麻布はオルヴィエートに移され、その後まもなく、この遺品を収めるべくドゥオーモの建設が着手されました。
イタリアの3大ゴシック建築のひとつ
オルヴィエートのドゥオーモの建設は3世紀にもわたり、のべ33人の建築家、152人の彫刻家、68人の画家、90人のモザイク師の手が加えられたといわれています。
中心となった建築家は1300年の始めに指揮をゆだねられた、シエナの建築家であり彫刻家でもあるロレンツォ・マイターニで、彼の非凡な才能により、時代を超越した建築の大傑作が誕生した。マイターニは、ドゥオーモのファザード(正面)を3枚続きの絵画と考え、このオルヴィエートのドゥオーモは3つの尖塔を備えたゴシック建築を代表する建物として世界に名を馳せています。シエナの建築家が建造したことから、シエナの大聖堂ととても良く似ています。
ファザードはしっかり見ましょう、実に興味深いです
この素晴らしいファザード(教会の正面)は、浅浮き彫りの装飾で覆われ、4本の大きな柱と、3枚のブロンズ扉からなっています。柱の浅浮き彫りはそれぞれテーマをもっていて、左から
第1の柱:旧約聖書のシーンと世界と人間の起源
第2の柱:旧約聖書のシーンと予言者たち
第3の柱:新約聖書のシーン(キリストの生涯)
第4の柱:最後の審判
となっています。3枚のブロンズの扉は20世紀を代表する彫刻家エミリオ・グレコによって制作されたものです。
例えば一番左の「第1の柱」をよく見ると、天地創造のシーン、アダムとイブの誕生のシーン、禁断の果実を食べるシーン、その後は善悪の知識を得たアダムとイヴは、裸の姿を恥ずかしいと思うようになり、イチジクの葉で陰部を隠しているなど、とても興味深いです。禁断の果実がイチジクであることも、現代に知られている解釈とは異なります。
大聖堂の一番の見どころは・・・
オルビエート大聖堂の一番の見どころは、聖堂内にある「聖ブリッツィオ礼拝堂」とその壁に描かれた「ルカ・シニョレッリのフレスコ画」です。このフレスコ画はイタリア美術史の中でも最高傑作のひとつと言えます。詳しくは別ページ『聖ブリッツィオ礼拝堂とルカ・シニョレッリ』をお読みください。
イタリア最大級のパイプオルガン
ドゥオーモの左奥の礼拝堂の入口の壁には、大きなパイプオルガンが置かれています。このパイプオルガンはイタリアで一番大きいといわれており、5500本ものパイプからできています。今も現役でミサの時に奏でられます。ミサに遭遇した時はその重厚な音色を聞き入ってみましょう。
オルヴィエート大聖堂の基本情報
名称 | Duomo di Orvieto(オルヴィエート大聖堂) |
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おすすめ | |
住所 | Piazza del Duomo, 26, 05018 オルビエート |
行き方 | オルビエート駅前からケーブルカーに乗り、終点のカーエン広場から大聖堂行きバス(A)に5分で終点の大聖堂前 |
電話番号 | +39 0763 341167 |
休館日 | |
開館時間 | 11月〜2月 9:30-13:00 / 14:30-17:00 3月と10月 9:30-18:00 4月〜9月 9:30-19:00 日曜日(11月〜2月)14:30-16:30 日曜日(3月〜10月)13:00-17:30 |
入館料 | サンブリツィオ礼拝堂 3ユーロ |
その他 | |
サイト | https://www.opsm.it/ |