シエナ大聖堂

丘の上の大聖堂

カンポ広場を後にして5分ぐらい歩くと、丘の上の大聖堂に到着します。シエナの大聖堂はイタリアを代表する美しい建造物のひとつであり、多くの観光客が訪れる人気スポットのひとつとなっています。ゴシック様式の教会で、聖母マリアに捧げられており、12世紀から建設が始まりました。外観は、白と緑の大理石のストライプの壁や、壮大なファサードが特徴的です。また、外壁には聖母マリアや聖人たちなどの多くの彫刻が並び、美しさを醸し出しています。

床は全て色大理石の象嵌細工

内部も、多くの芸術家によって装飾が施され、大変豪華です。特に床は素晴らしく、色大理石の象嵌細工でつくられた56枚のパネルで飾られています。これらのパネルは、普段は踏まれて模様がすり減らないように、大部分上にカバーがかけられていますが、毎年夏の特別期間だけ、カバーが外されパネルを全て見ることができますので、この時期を狙ってやってくるイタリア人の観光客も多いです。

ミケランジェロやラファエロの作品も

その他、ラファエロが下絵を描いたといわれるフレスコ画が素晴らしいピッコローミニ図書館や、若きミケランジェロの彫刻があるピッコローミニ祭壇も見逃せません。どちらもシエナの貴族、ピッコローミニ家がスポンサーであることからこの名がついており、ルネサンス期にはローマ法王を2人も出した一族です。ピッコローミニ図書館のフレスコ画には、ラファエロの自画像もありますので、どこに描かれているかぜひ探してみてくださいね。

ここにもあった、SATORスクエア

SATORスクエアは、ラテン語の回文で、5文字×5文字のワード・スクエアです。回文というと、私も名字が山本で、子供のころよく「上から読んでも山本山、下から読んでも山本山」と言われましたが、まさにこれですね。SATORスクエアの場合、5つの単語と5つの行で正方形が構成され、縦にも横にも同じ読み方になります。クリストファー・ノーラン監督の映画『テネット』の公開で再び話題にもなりました。一列に並べると、SATOR、AREPO、TENET、OPERA、ROTAS。直訳すると「農夫のアレポは馬鋤(す)きを曳(ひ)いて仕事をする」という、意味不明な文章になります。このSATORは、ポンペイなどのヨーロッパ各地の遺跡からも発見され、学者やミステリーを愛する人々、そして単に好奇心の強い人々を長年にわたって魅了し続けています。様々な仮説が立てられましたが、言葉の意味は今日にいたるまで謎のままです。誰が、いつ、何のためにこのSATORスクエアをシエナの大聖堂の壁にはめたのでしょうか。多くの学者が研究中ですが、おそらくこの大聖堂を守る一種のお守り、あるいは魔除けとしての役目があったのではないかと考えられています。ミステリー好きの皆様、シエナの大聖堂でSATORの謎を解き明かしてみませんか。

長い入場待ちの列をスキップ

シエナの大聖堂の入場チケットは、オンラインで事前に購入するかあるいは当日チケット売り場で購入できます。チケット売り場で購入する場合、人気の観光スポットですのでシーズン中は長い行列ができていて、長時間待たされることもあります。シエナ観光ライセンスガイド協会会員のガイドには、この列に並ばなくてもよいスキップザラインチケットを購入する特権がありますので、私とのご観光の際には時間を節約、長い行列を回避することが可能です。もちろん政府公認ガイドは教会や美術館の入場は無料ですので、入場料はお客様の分のみのご負担となります。

シエナ大聖堂の基本情報