イタリア人も驚く不思議な井戸サンパトリッツィオ
中部イタリアの中世小都市オルヴィエートの町にはゴシック建築の最高峰ドゥオモのほかに世界に誇れる遺産があります、それがサンパトリツィオの井戸。それは一見どこにでもある井戸なのですが、当時としてはとても高度な建築技術が用いられており、歴史的にも技術的にも貴重なものとなっています。井戸の内側の階段を歩いて下りることができ、底から見る世界はまさに幻想的です。
サン・パトリツィオの井戸は日本でもテレビで紹介されることが多く、ここ数年イタリアの人気観光スポットの一つとなっています。
当時の建築技術が集結
クレメンテ7世の命によりフィレンツェの建築家アントニオ・ダ・サンガッロによって16世紀に建設された井戸の内部側面には、螺旋階段が二重に巡らされています。井戸の底と地上とがつなぐ二本の階段は、水を汲みに下りる階段と、汲んだ水を持って登る階段というように、一方通行にしてお互いにすれ違うことなく行き来できるように設計されています。実用的でさらに美しい構造となっています。
想像よりきつい階段。手にはカメラだけを持って
井戸の深さは62メートル、オルヴィエートの高台の地盤となっている凝灰岩を掘って作られています。火山による凝灰岩は固い地盤でしたが、何世紀もの歳月が経ち、現在では水分を徐々に吸収しているため、もろくなって来ているといわれています。
イタリアでは底なしの浪費家のことをこの深い井戸の名前から『サン・パトリツィオの井戸のような懐をもっている』といいます。
248段の螺旋階段、雨の日は滑りやすいので要注意!
円柱状の井戸は底部空間の直径が13メートルで、階段は248段、70もの大きな窓が井戸中心に向かって開いていて、階段の明かり取りの役割をしています。
現在では映画やトレビの泉などの観光スポットの影響で、このパトリツィオの井戸でも、コインを投げる人が増えてきています。皆さんも運動靴着用の上、ぜひこの深い井戸に挑戦してみてください。
井戸の階段は角の取れた石造り。雨の日はとても滑りやすいので降りるのを断念することも大切です。
サンパトリッツィオの井戸の基本情報
名称 | Pozzo di San Patrizio(サンパトリッツィオの井戸) |
---|---|
おすすめ | |
住所 | Piazza Cahen, 5B, 05018 オルビエート |
行き方 | オルヴィエートの丘の上のケーブルカー駅を降りてすぐ右手 |
電話番号 | +39 0763 343768 |
休館日 | なし |
開館時間 | 11月-2月:10:00-17:00(切符売り場は16:45まで) 3月-4月、9月-10月:9:00-19:00(切符売り場は18:45まで) 5月-8月:9:00-20:00(切符売り場は19:45まで) |
入館料 | 4.5ユーロ |
その他 | |
サイト |