ヴァザーリの回廊 メディチ家の秘密の通路が一般公開(フィレンツェの観光名所②)

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1キロにおよぶ、メディチ家の隠された通路

ヴァザーリの回廊
両側に絵画がならぶ長い廊下、これがメディチ家が毎日のように通ったヴァザーリの回廊。外からは想像できない秘密の空間が続いています。

ルネッサンスが開花したフィレンツェはメディチ家なくして語ることができません。芸術を愛する彼らの財力によって、ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなど多くの芸術家たちが誕生しました。町には半世紀を経た現在もメディチ家ゆかりの美術品や建築物が残っていて、実際に目で見て触れることができるのは本当に驚きです。その一つに今回紹介するヴァザーリの回廊があります。メディチ家が自分たちのためだけに作った1キロにおよぶ隠し通路・・・なんだか謎めいた響きでワクワクしますね。

現在、ヴァザーリの回廊は『閉鎖』しております

2016年10月に再開したヴァザーリの回廊ですが、2016年11月30日をもって期間限定公開が終了しました。安全対策のため数年間は工事のため閉鎖するようです。
現在はヴァザーリの回廊には誰も入ることができません。当ツアーも一時中断しております。入館が再開しましたら、本ページにて告知いたします。

秘密の回廊を作った理由とは

ヴァザーリの回廊
誰もが訪れるヴェッキオ橋、よく見ると2階に小窓が並んでいるのが見えます。その窓はL字に曲がって手前のウフィツィ美術館につづいています。橋を渡る時に回廊を見上げてたどるのも楽しいですよ。

ヴァザーリの回廊はヴェッキオ宮殿とピッティ宮殿を結ぶ長い長い通路。16世紀、メディチ家六代目のコジモI世の執政時、彼らの住居は川向うのピッティ宮殿でした。そして政治を執り行っていたのがヴェッキオ宮殿。財力を使って家からオフィスまで廊下でつなげてしまえ、と完成したのがこのヴァザーリの回廊です。フィレンツェを金と力で治めていた彼らは暴動対策にも抜かりがありませんでした。町で異常事態が起こればこの廊下を猛ダッシュして人目につかず家に帰ることができたのです。通勤にも利用できる避難経路、その時代ならではのアイデアです。

ヴァザーリの回廊が一般公開されました

ヴァザーリの回廊
回廊を通ったらぜひ小窓から外を眺めてみましょう。ヴェッキオ橋も上から見下ろすことができる、貴重なアングルに感動します。

長らく閉ざされてきた回廊ですが、最近一般公開されるようになりました。予約をするとガイド付きで入館が許されます。大きな扉をくぐるとメディチ家の人たちが人目を忍んで歩いた廊下が目の前に伸びる、まさに息を呑む瞬間に立ち会うことができます。

廊下に入ると両壁にずらりと絵画が並んでいるのに気づきます。実はこの回廊は「自画像」のみ集めた細長い美術館。どの絵を見ても顔、顔、顔。画家や彫刻家の作品は知っていても、彼らの自画像を目にする機会は少ないですよね。ガイドさんが有名な人たちをかいつまんで、わかりやすく説明してくれます。

見下ろす景色、隠れた教会も忘れずに

ヴァザーリの回廊
ヴェッキオ橋の後はフィレンツェで一番古い協会の内部も通過します。カトリックの国イタリアならではの光景です。

最後に忘れてならない回廊の魅力を2つ紹介します。一つは、回廊の小窓から見下ろす景色。回廊はフィレンツェの名所ベッキオ橋を通って川を渡ります。ぜひ小窓から身を乗り出して写真を撮りましょう。貴金属店が並ぶ美しい橋を上から眺めることができます。メディチ家の彼らもこうやってこっそりと庶民の生活を覗いていたのかも知れません。もう一つは、回廊の中程で突如現れる教会。フィレンツェ最古の教会のひとつ、サンタ・フェリチタ教会の2階とつながっています。庶民の目に触れずミサに参加できるよう礼拝堂に接しています。お金持ちの発想は常人には理解できないですね。どちらもこの回廊を訪れた人だけの特典です。

スタッフ

いつ一般公開されるか不明 

スタッフ ヴァザーリの回廊は『秘密の通路』といわれているだけあって、一般公開も極稀です。狭い空間のため入場制限も厳しく設定され、また火災時の安全性確保のため一般公開の許可がおりません。タイミング良くヴァザーリの回廊の開館日に出会ったら、ぜひその秘密を堪能してください。  

イタリア在住:堂 剛 スタッフ一覧

ヴァザーリの回廊の基本情報

名称 Corridoio Vasariano(ヴァザーリの回廊)
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住所 Piazza della Signoria, 50122 フィレンツェ
行き方 シニョリア広場すぐ横、ウフィツィ美術館に併設されています
電話番号 +39 055 23885
休館日 月曜日
開館時間 不定期
入館料 €50-€150
その他
サイト
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