ピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖十字架の伝説」
サン・フランチェスコ広場に面して建っている石造りが美しい教会で、13世紀終わり頃に建てられ長年の間に内装外装ともに様々な改修がされてきました。ピエロ・デッラ・フランチェスカ(Piero della Francesca)の代表作の一連のフレスコ画「聖十字架の伝説」(Leggenda della Santa Croce)があることで有名ですが、実はこのフレスコ画は一度16世紀終わりの改装の際にしっくい塗装によって覆い隠されてしまいました。それが18世紀中頃の改装で発見され、修復されて現在に至っています。
改装の歴史は面白くて、実は正面の外装も14世紀の改修の際に資金不足で壁の上塗りができなかったために基礎の一部以外は石造りのままになっていて、お金があれば今とは違う見た目になっていたはずなのです。
予約していくと安心です
正面中央玄関の内側はガラス張りになっていて祭壇と宙づりの十字架が見えますが、左側の入り口を入って階段を降りたところにチケット売り場があります。インターネットサイトには予約が必要とあるが、当日でもチケットは購入できます。ただし一度に入館できる人数が制限されていて、団体客などとかち合うと待つ必要があるので、事前予約をしておけば安心でしょう。
公式サイト:http://www.pierodellafrancesca-ticketoffice.it/
事前予約でも当日購入する場合でも見学時間帯が決められるので予約料2ユーロ+チケット料金6ユーロ=8ユーロが必要となります。サンフランチェスコ教会+ヴァザーリの生家(Casa Vasari)+中世美術館(Museo Medievale)+考古学博物館(Museo archeologo)の共通入場券は12ユーロなので他の美術館なども見る予定なら、予約した上で教会で共通券を買うと便利です。また、サンフランチェスコ教会の入場券を見せるとアンティーク市の創始者イヴァン・ブルスキの生家兼博物館(Casa Museo di Ivan Bruschi)が1ユーロで入場できます(Google地図)。
清貧の聖フランチェスコの精神
教会の内部でまず気づくのは天井の高さと木製の梁の美しさ。サンフランチェスコの清貧の精神を反映した簡素な造りとなっています。祭壇の上には珍しい宙刷りの十字架がかかっていて、キリストの足元に口づけする聖フランチェスコが描かれているのがわかります。祭壇の後ろの礼拝堂には有名なピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖十字架の伝説」のフレスコ画があって、これは13世紀に書かれた黄金伝説(Leggenda Aurea)に感銘を受けたデッラ・フランチェスカがキリストが磔(はりつけ)にされる十字架の由来を一連のフレスコ画で描いたものです。
アレッツォの町もピエロ・デッラ・フランチェスカも日本人にはあまり馴染みがないですが、イタリアでは町もその画家の名も誰もが知る存在です。質素な教会の中にあるフレスコ画はイタリア美術史には欠かせない貴重なものです。600年以上経たストーリー画をぜひご自身の目で確認してみてください。
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聖フランチェスコ教会の基本情報
名称 | Basilica di San Francesco(聖フランチェスコ教会) |
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おすすめ | |
住所 | Piazza S. Francesco, 52100 アレッツォ |
行き方 | イタリア国鉄「アレッツォ」駅からまっすぐ徒歩9分 |
電話番号 | +39 057520059 |
休館日 | |
開館時間 | 月~金 9:00~18:00(サマータイム時期 9:00~19:00) 土曜日 9:00~17:30(サマータイム時期 9:00~18:00) 日曜日 13:00~17:30 (サマータイム時期 13:00~18:00) |
入館料 | €6 |
その他 | 入場は30分おき(予約必須) |
サイト | http://www.polomusealetoscana.beniculturali.it/index.php?it/176/arezzo-basilica-di-san-francesco |
サンフランチェスコ教会の見どころ
やはり見所はピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画です。1つ1つの絵の人物や衣装の細かい描写も鑑賞のポイントですが、フレスコ画全体が十字架にまつわる伝説の物語になっていますのでそれぞれの絵の中の十字架に注目すると面白いでしょう。入場は30分単位の予約制になっていますので、事前予約をしていない場合は街に着いたらまず1番に行って予約を取りましょう。アレッツォ在住:松若 朋恵 スタッフ一覧