キメラ像
観光案内所と道路を挟んだ小さな公園のような場所にアレッツォのシンボル、キメラ像があります。キメラは頭がライオン、胴体にヤギの頭があり、尻尾が蛇、のギリシャ神話に登場する想像上の動物。紀元前4世紀にエトゥルスコ人によって作られたもので、1553年に発掘されるとすぐにメディチ家の収集に加えられ、実物は現在フィレンツェの国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale di Firenze)に展示されています。市内にはここ駅前とキメラ像が発掘された現場に近いサン・ロレンツォ門(Porta S. Lorentino)に2つのレプリカがあります。駅前の像の噴水には現在水が入っていませんが、2006年にイタリアがワールドカップで優勝した時のお祭り騒ぎの際には大勢の市民に加えて当時の市長までが噴水に飛び込んだそうです。
グイドモナコ広場
駅からまっすぐ、グイドモナコ通り(Via Guido Monaco)を200Mほど歩くと、植木に囲まれた円形のグイドモナコ広場(Piazza Guido Monaco)があり、真ん中にグイドモナコの銅像が建っています。グイドモナコは別名グイドダレッツォ(Guido d’Arezzo)とも呼ばれる10世紀終わりから11世紀初めの修道会ベネディクト会の修道士で、出生地や生没年など知られていないことも多いですが、楽譜を考え出したと言われています。当時修道士はたくさんの聖歌を暗記するしかなかったのですが、グイドは音の高低を4本の線とその間の点で表すことを思いつきます。これにより聖歌の習得が非常に楽になっただけでなく、後にここから現代の五線譜ができました。音楽好きの人はぜひグイドモナコ像を見てください。
グイドモナコ広場~サンフランチェスコ広場
グイドモナコ広場を横切りまっすぐ進んで上り坂が始まると左手に中央郵便局があり、道の突き当たりがサンフランチェスコ広場(Piazza San Francesco)です。広場の周りはレストランやバール、お土産物屋やアンティークのお店などが並んでいます。サンフランチェスコ教会の向かい側にある「Caffè dei Costanti」は映画「ライフ・イズ・ビューティフル」にも登場する老舗のバールでいつも観光客でいっぱいです。お値段は少し高め・・・。
アレッツォにぜひ来てください!
アレッツォはフィレンツェから1時間と近くてアクセスが抜群で、半日あれば主要な観光場所をまわれるのでフィレンツェ、あるいはシエナ、ペルージャからの日帰り旅行に最適です。中世の雰囲気の残る旧市街をゆったり眺めながら散歩する気分で観光しましょう。ただし、坂が多いですので歩きやすい靴で来てくださいね。アレッツォ在住:松若 朋恵 スタッフ一覧