ペトラルカの生家とトファノの井戸

アレッツォのペトラルカの生家美術館アレッツォ
ペトラルカの生家の中庭部分

フランチェスコ・ペトラルカ(1304-1374年)はルネサンス時代14世紀の詩人で、ローマ時代の属州アフリカを題材としたラテン語の詩「アフ リカ」やラウラという女性に捧げた恋愛の詩を集めたトスカーナ語の叙情詩集(Canzoniere)を書いたことで有名です。また一方で、ローマの古代遺 跡を単なる古代の驚異としてではなく歴史研究の対象として観察したり、ヴェローナで古文書の山の中からキケロの書簡を発見して歴史研究の資料としたりした ことから、ルネサンス初の人文学者としても知られています。

サンタ・マリア・デッラ・ピエーヴェ教会(La Pieve)の前のピレアーティ通り(Via dei Pileati)の急な坂を登りきって左に曲がると小さな広場兼駐車場があり、広場の隅にトファノの井戸(Pozzo di Tofano)があります。言い伝えではフィレンツェで活躍した詩人ボッカッチオ(1313-1375年)の「デカメロン(Decamerone 十日物語)に出てくる井戸と言われています。

「デカメロン」は1348年に大流行したペストから逃れるために邸宅に引きこもった10人の男女が1人10話ずつ退屈しのぎに話をするという設定の 物語詩集で、トファノの井戸は7日目第4話に出てきます。これは嫉妬深い夫に家の外に締め出された妻が、井戸に身を投げるふりをして大きな石を投げ込み、 夫が慌てて井戸に駆けつける隙に妻は家に入り逆に夫を締め出し、夫が改心するまで妻が説教するという現代でも通じそうなユーモアのある話です。

フィレンツェで活躍していたボッカチオがなぜアレッツォの井戸を「デカメロン」に登場させたかという疑問の答えは、トファノの井戸のちょうど前にあ るペトラルカの生家と関係があるんです。実はペトラルカの父親はフィレンツェ出身でダンテとともにフィレンツェを追放されたためにアレッツォに移住し、そ こでペトラルカが生まれました。だから同世代であるペトラルカとボッカチオに交友があって、ボッカチオがアレッツォにある井戸を見たことがあったと考えて もそれほど不自然ではないでしょう。ルネサンスを代表する2人の詩人が並んでトファノの井戸を眺めたことがあるかもしれませんよ。

ペトラルカの生家のチケット売り場は中庭を横切ったところにあり、最初にペトラルカについてのビデオを見るように勧められます。(ビデオはイタリア 語か英語が選べますよ。)2階は中庭を見下ろす回廊部分だけが見学可能ですが、1階は、大聖堂裏の公園にあるペトラルカに捧げる像の公募をした際の応募作 品やペトラルカの肖像画などが飾られている小部屋と、およそ4,000冊の蔵書のある4部屋続きの図書室です。図書室の最初の部屋には、ペトラルカの叙情 詩集などが展示されています。

ペトラルカの生家美術館の基本情報

名称Casa del Petrarca/Petrarca's House(ペトラルカの生家美術館)
おすすめ
住所Via dell'Orto, 28, 52100 アレッツォ
行き方アレッツォ大聖堂から東に徒歩2分
電話番号+39 3315650036
休館日月曜日
開館時間火曜日~日曜日:10:00-13:00, 14:00-18:00
入館料成人:8ユーロ
18歳未満、65歳以上、15人以上の団体:6ユーロ
6歳未満の子供:無料
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