ローマの穴場美術館!マッシモ宮(ローマ国立博物館)の見どころ解説

Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano ローマ
Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano

ローマの狙い目の美術館「マッシモ宮」

ローマは長い歴史のなかで残された豪華な芸術作品を所蔵するため、街中の至るところに美術館がある場所です。人気の美術館はチケットを購入することも難しく、1か月前でもすべて売り切れていることも。

マッシモ宮(ローマ国立博物館)は、古代ローマ時代の彫刻や絵画などを中心に所蔵している美術館です。ローマの主要ターミナルであるテルミニ駅から徒歩5分の好立地に加え、貴重な作品が揃っているのに、なぜかいつもガラガラ!

ローマの喧騒を離れて、美術館でホッと一息つきませんか?この記事では、あまり混んでいないのに見ごたえ抜群なマッシモ宮(ローマ国立博物館)の見どころを解説します!

バチカン博物館の予約は簡単にできます。詳しくは本サイトの「バチカン美術館の予約方法」をお読みください。

Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano
ローマ・テルミニ駅から徒歩5分のマッシモ宮(ローマ国立博物館)。豪華な展示品にもかかわらず観光客が少なくローマの穴場スポットです。ゆっくり楽しんでください。

見どころ①:古代ローマ時代の様々な彫刻作品が見られる

古代ローマ美術といえば、彫刻作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。マッシモ宮(ローマ国立博物館)は、皇帝や神話の神々をテーマにしたさまざまな彫刻をじっくり鑑賞できる美術館です。

立像や胸像だけではなく、石棺彫刻も見ごたえ抜群です。石棺とは石で作られて棺であり、古代では裕福な人々が自分の死後の生活をイメージして装飾をほどこしました。マッシモ宮(ローマ国立博物館)には、戦場をモチーフにした石棺やキリスト教の聖書に基づいた石棺が展示されています。

彫刻エリアの一部は「コピー作品」が展示されています。なんだ、コピー作品なら、そんなに重要じゃないのか?と思われるかもしれませんが、これらは古代ギリシャの彫刻作品を「古代ローマ時代の芸術家がコピーした作品」なのです。つまり、どの作品も古代に作られたことは間違いなく、非常に価値の高いものです。

Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano
古代ギリシャ、古代ローマ時代に作られたとは思えないほど、みごとに肉体・質感を表現しています。写真奥のランチェロッティの円盤投げ(Discobolo Lancellotti)はマッシモ宮の目玉のひとつ、教科書で見たことのある人も多いはず。西暦140年頃のコピーで完成度がとても高いです。
Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano
ポルトナッチョの石棺(Sarcofago di Portonaccio)精巧なレリーフがとても美しく、西暦180年頃に作成された、まさに芸術作品です。

見どころ②:貴重な古代ローマ時代のフレスコ画のコレクション

古代ローマ時代にはフレスコ画と呼ばれる壁画が多く制作されましたが、湿度や気温などの外的要因により失われることが多く、現存している例は決して多くありません。

マッシモ宮(ローマ国立博物館)には、古代のフレスコ画の貴重なコレクションがあります。部屋の壁を装飾することが多かったフレスコ画。マッシモ宮でも小部屋のような構造で展示されているため、当時の人々がどのような環境で生活していたかを感じることができます。

Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano
ローマの中心部を流れるテヴェレ川の護岸工事(1879年~)の際に発掘された「ファルネジーナ荘の壁画(Casa della Farnesina )」。フレスコ画は湿度に弱く変色が激しいため綺麗な色で現代に残っているものはとても貴重です。

とくに注目したいフレスコ画は、「Villa di Livia」と呼ばれる貴族の邸宅から発見されたものです。5.90m×11.70mの広範なフレスコ画で、美術館内の小さな入り口の奥にひっそりと展示されています。紀元前40年から20年の作品と考えられています。

作品は植物や動物をテーマにしており、絵画の中で遠近法を際立たせるために風景の手前に低い塀を描いています。じっくりと近づいて観察すると、いかに芸術家が自然を忠実に描こうとしたかを感じられるでしょう。室内にいても美しい植物や動物がある部屋での生活…想像するだけで素敵ですね。

Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano
3階にある「リヴィアの家のフレスコ画(Villa di Livia)」は紀元前40〜20年に描かれたもの。アウグス帝と妃リヴィアの家から発掘されたものが一室そのまま展示されています。眼の前に緑の庭園が広がります。ソファーに座って2000年前に描かれた絵画を堪能できます。

見どころ③:ローマ芸術の多彩さが光るモザイク画にも注目

古代ローマ時代の芸術は古代ギリシャ芸術の模倣という側面もありますが、独自に発展した華麗な芸術もあります。その1つが「モザイク画」です。

モザイク画とは、小さな石や宝石を組み合わせて絵を作る技法で、古代ローマで飛躍的な発展を遂げ、その後キリスト教芸術にも長く引き継がれました。石で模様を作るため耐久性に優れており、古代ローマでは邸宅の床装飾に使われることが一般的でした。

マッシモ宮(ローマ国立博物館)は、モザイク画のコレクションにおいてもローマ随一といっていいほど潤沢な作品数を誇っています。紀元後1~5世紀ごろまでに制作された作品を中心に、廊下に所狭しと飾られているモザイクは圧巻の一言に尽きます。

こんなに近づいていいの!?というくらい、間近で鑑賞できる状態で展示されているため、ぜひ近づいて石の組み合わせを感じてみてください。遠くから見るとただの線や色に見える箇所も、繊細で緻密な計算に基づいて配置されていることがよくわかります。

Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano
廊下に展示されたモザイク画。モザイクとは細かいガラスや色のついた石を小さく加工してデザインします。そのため色褪せがなく、当時の色そのままを残しています。
Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano
古代ローマの精度の高いモザイクはまるで絵画のようです。近づいて見ると、その精巧な作りがよくわかります。またモチーフも独創的で趣向が凝らされています。

マッシモ宮:まとめ

ここまで見どころの多いマッシモ宮(ローマ国立博物館)ですが、本当にいつも空いていて行くたびにびっくりしてしまいます。ローマを訪れた人に「穴場美術館を教えて!」と言われたら、真っ先に名前を挙げる場所です。

ヴァチカン美術館やボルゲーゼ美術館だけじゃない、「ローマらしい」美術館を訪れたい方はぜひマッシモ宮(ローマ国立博物館)へ。以上、マッシモ宮(ローマ国立博物館)の見どころの紹介でした!

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マッシモ宮 / ローマ国立博物館の基本情報

名称 Palazzo Massimo - Museo Nazionale Romano(マッシモ宮 / ローマ国立博物館)
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住所 Largo di Villa Peretti, 2, 00185 ローマ
行き方 ローマ・テルミニ駅から徒歩5分
電話番号 +39 06480201
休館日 月曜日
開館時間 火〜日:午前9時30分~午後7時(最終入場は午後6時)
入館料 通常料金 8ユーロ
割引料金 2ユーロ(割引は18歳から25歳までのイタリア国籍およびヨーロッパ国籍の方に限る)
無料:国立博物館、モニュメント、美術館、遺跡の無料入場条件を参照のこと
https://cultura.gov.it/agevolazioni
その他 最新情報は公式サイトで確認できます。
サイト https://museonazionaleromano.beniculturali.it/palazzo-massimo/
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