カンポ・ディ・フィオーリ市場の魅力
ローマでもっとも有名な市場が立つ「カンポ・デ・フィオーリ」。美しいパレスに囲まれた綺麗な広場は日曜日を除く毎朝市場の活気で溢れています。色とりどりの商品が所狭しと並べられ、商品を買わずとも写真を撮る手が止まりません。
土産なりそうな食材や小物もあって、町のおみやげ店よりも断然安く購入できます。ローマに行ったら一度はカンポ・デ・フィオーリに立ち寄ってみましょう。くれぐれも貴重品には要注意です。
お花畑だった広場
フィオーリ(Fiori)とはイタリア語で「花」。1400年頃までこの広場は菜園もあるお花畑だったそうで、そこからこの「フィオーリ」の名前がつけられました。他の言い伝えでは、紀元前の古代ローマの政治家「グナエウス・ポンペイウス」の恋人の名前である「フローラ」からつけられたという説もあるのです。
ローマの高級地として栄えた広場
1456年、当時の教皇カリストゥス3世がパリオーネ地区(Parione)の整備のため、石畳を敷いてこの広場が誕生しました。それをきっかけに広場の周りにはオルシーニ家のパレス(Palazzo Orsini)など重要な建造物もでき一気に栄えたのです。
こういった経緯を経て、広場は大使や貴族など権力者が集まる場所となり、便利さを求めて、広場では毎週2回(月曜日と土曜日)に華やかな市場が開かれ始めます。広場近くにはホテル、レストラン、職人工房なども集まり、この地区の商業と文化の中心となったのです。
思想の自由が閉ざされた黒い歴史
またカンポ・ディ・フィオーリ広場は、死刑執行の場、むち打ち刑の処刑場として使われた歴史もあります。1600年2月17日には哲学者でドメニコ会修道士のジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno)がここで火刑に処せられました。彼はそれまで有限と考えられていた宇宙が無限であると主張し、コペルニクスの地動説を擁護し異端罪に問われました。その後も自説を撤回しなかったため、この場所で殉教の身となったのです。その不幸な歴史を消さないようにと広場の中心に彼の全身のブロンズ像が作られました。(1869年、Ettore Ferrari作)
1869年以降、この広場には活気あふれ美しい市場が立ちます。1943年にはAnna MagnaniとAldo Fabriziの有名な映画「Campo de’ fiori(The Peddler and the Lady)」の舞台ともなりました。
眺めるだけで元気になる市場!
ローマの朝市を見るならこの「カンポ・ディ・フィオーリ」が一番でしょう。色とりどりの野菜や果物、広場の名前そのままの美しい花屋さん、ホテルで楽しみたいハムやチーズの加工品、そしてお土産にもなる小物や洋服、日用雑貨まで、ありとあらゆる商品が並んでいます。
お土産に魅力的だったのが、ガラスの飾りが付いたワイン栓。ステンレス製でとてもしっかりしているのにわずか5ユーロ。中心街のお店で買ったらきっと倍以上はするでしょう。やっぱり市場は庶民の味方。旅行者も上手に利用しない手はありません。
お土産の購入もお勧めです!
他にも量り売りのスパイス香辛料、可愛い形をした瓶詰めのリモンチェッロ(レモンのリキュール)やバルサミコ酢、箱入りの伝統菓子など、日本に持って帰りたくものがたっぷり。小腹が減ったら肉屋さんでパニーノを作ってもらって、みんなジョルダーノ・ブルーノ像の足下で美味しそうに頬張っていました。きっと火あぶりにあったことを知ったら驚きそうです。
カンポ・ディ・フィオーリの入り口、北側の通り沿いに「フォルノ・カンポ・デ・フィオーリ」というパン屋さんがあります。隣の工房で焼きたてのパンやピザを売っています。みんな香ばしい小麦の香りにさそわれて、ぞろぞろと入っていきます。ぜひ味見してみましょう。素朴で美味しいですよ。(住所 Piazza Campo Dei Fiori 22)
楽しくても気は緩めないで・・・
広場近くはブティックやアンティークショップも多く、のんびり散歩に最高のコースです。小ぎれいで美味しいレストランも多いので、ゆっくりと観光できます。観光客も多く活気があって楽しい市場ですが、財布の注意だけは怠らないように。写真に集中ばかりしているときに狙われやすいですよ。
昼は活気があって楽しい市場ですが、夜はたくさんのパブが開いて若者たちの人気スポットとなっています。深夜遅くは警察も駆けつける騒ぎもしばしば起こります。もちろん夕食時間程度ならとても安全で心配いりません。
カンポ・ディ・フィオーリ広場の基本情報
名称 | Piazza Campo de' Fiori(カンポ・ディ・フィオーリ広場) |
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おすすめ | |
住所 | Piazza Campo de' Fiori, 00186 ローマ |
行き方 | ナヴォーナ広場の南、徒歩3分 |
その他 |
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スリ対策をして訪れましょう
ローマの市場と聞くと危険じゃないのかとドキドキしますが、楽しめること間違いなしです。少しの勇気と十分なスリ対策があれば大丈夫。パスポートと財布は腹巻きに、ポケットには必要な小銭だけを入れて向かいましょう。カメラは必須、ショッピングバッグがあると便利ですよ。ザクロの搾りたてジュースも美味しかったです。イタリア在住:堂 剛 スタッフ一覧