聖女アガタ伝説

伝説の聖女アガタ

イタリアには、各町にその場所を守る守護聖人がいます。カターニアでは、聖アガタがそうです。
アガタは、3世紀頃にカターニアの裕福な貴族の家にて生まれました。15歳の時にはすでに神に身をささげ、信者として生きる決意を固めていました。そんな美しい娘アガタと彼女の財産に目をつけた当時シチリアでも支配力を持っていたローマ総督は彼女にプロポーズします。カトリック教徒として純潔な身でいたいという意思を貫き、申し出を頑なに拒んだ彼女は、彼の権力によって迫害を受けることになります。牢屋に入れられ、暴力を受け、最後には乳房を切り落とされてしまいます。彼女は、それでも祈り続けることをやめず奇跡的に乳房は完治します。ところが、更に総督の反感を買った彼女は火あぶりの刑にされることになりました。火あぶりにされた際に彼女を包んでいた赤いヴェールだけは奇跡的に無傷のまま残っていたといいます。このヴェールは彼女の聖遺品として、今も大事に保存されています。

そんな彼女が起こした奇跡の数々は、今もなおカターニアでは語り継がれ、天災や乳癌などの病気から護ってくれる聖女として崇められています。

聖アガタ礼拝堂（La cappella di S.Agata）（大聖堂内部）

街のメインの大聖堂であるドゥオーモ(Duomo)は、聖アガタに捧げられており、聖堂内には彼女の礼拝堂があります。彼女の像と聖遺物などが奉られています。宗教心豊かなカターニア市民は、今でも彼女に対する恩恵を忘れません。皆、彼女の起こした奇跡を信じており、お祈りをする為に訪れる人々は絶えず、彼女から授かった恩恵のお礼に訪れる人もいるのです。

名称	Duomo（大聖堂、ドゥオーモ）
住所	Piazza Duomo, 95121 Catania (CT) – Italy
電話番号	+39 095 320 0044
開館時間	8時から12時、15時から18時（毎日）

聖アガタ大修道院 (Chiesa della Badia di Sant’Agata)

この大修道院は、大聖堂ドゥオーモの真横に位置します。カターニアに数多く存在するバロック様式の建築物の中でもかなり重要なものと見なされています。大聖堂広場の市庁舎と象の泉を設計した建築家による作品です。教会の外観はとても美しく、特に扉口は聖アガタのシンボルでもあるヤシ、ユリ、王冠を象ったデコレーションがなされています。

名称	聖アガタ大修道院 (Chiesa della Badia di Santa Agata)
住所	Via Vittorio Emanuele（大聖堂の真横）
電話番号	+39 095 742 1111
開館時間	月曜から土曜（7時半から12時）、日曜（16時から19時半）

サンタ・アガタ・アッラ・フォルナーチェ教会(Chiesa di Santa Agata alla fornace)、別名サン・ビアージョ教会（Chiesa di S. Biagio ）

フォルナーチェとは、イタリア語で釜という意味です。内部には彼女を拷問にかけていた釜の一部が再生されており、見学することが出来ます。聖なる場所なので、もちろん内部での撮影は厳禁ですが、見る価値はかなりアリです。

名称	Chiesa di Santa Agata alla fornace
住所	Piazza Stesicoro, 95124 Catania (CT) – Italy
電話番号	+39 095 715 9360
開館時間	月曜から土曜（9時から12時、15時から19時）、日曜（9時から12時）
入館料	無料

サンタ・アガタ・アル・カルチェレ教会（Chiesa di S.Agata al Carcere）

この教会の内装は、様々な時代の様々なスタイルによって造られています。建物の正面は、カターニアの多くの建築物の様にバロック様式。教会内の祭壇の近くには、暴力に耐えつつ、踏ん張ったサンタ・アガタの足跡が残されたという伝説の溶岩の床が残されています。カルチェレとはイタリア語で牢獄の意味があります。この教会は、聖アガタのお墓の上に建てられたと言われています。

名称	Chiesa di S.Agata al Carcere
住所	Piazza San Carcere,95121, Catania (CT) – Italy
行き方	エトネア通りを北に進み、Stesicoro広場に沿うVia Cappucciniを東方向へ進んだ最初の交差を左へ。 ※現在、教会は修復中で見学不可能