カターニアの教会と修道院

サン・ニコロ・ラレーナ・ベネディクト修道院（Monastero di San Nicolò l’Arena）

1136年、聖ベネディクト教会の修道士達は、エトナ山にて伯爵の助けを借りて、聖レオ修道院を創立する計画をたてていました。しかし、悪天候、火山噴火、地震などの不運が続き、彼らはエトナ山中のニコロージ(Nicolosi)にある、当時は修道士の救済所として使用されていた聖二コロ修道院へ行くことを余儀なくされたのです。

1550年頃、当時治安が非常に良くなかったその場所に不安を感じた修道士達は、カターニアへ引っ越すことを決意しました。そうして建てられたのがこの修道院。大きさとしては当時ヨーロッパで二番目の大きさでした。今は、カターニア大学の文学部・哲学部の校舎として使用されています。

サン・ニコロ・ラ・レーナ教会（Chiesa di S. Nicolò l’Arena）

聖ベネディクト派の修道院と併設して作られた教会。ダンテ広場に位置する、少し変わった様式の建物です。1669年のエトナ山噴火の際に、修道院の一部が損壊し、その修復の際に平行してこの教会を建てることが決められました。続く1693年の大地震により、約20年間もの間、作業は中断されてしまいます。その後、教会の建設はカターニアの多くの建物の建設を手がけた建築家ヴァッカリーニらによって再開されますが、正面の折れた柱からも見て分かるように、未だ未完成のままです。教会内部は、かなりシンプルです。

サン・フランチェスコ教会（Chiesa S.Francesco）

アッシジの聖フランチェスコに捧げられた広場にある、美しいバロック様式の教会。広場には、彼の銅像もあります。外観はかなり豪華で、両サイドに円蓋に覆われた鐘楼が設置されています。玄関へと続く昇り階段、数多くの聖人の像に囲まれた入り口が特徴的です。現在の建物はもちろん、大地震、火山噴火の後に再興されたものです。

サン・ベネディクト教会（Chiesa di S. Benedetto）

クローチフェリ通りにある数多くのバロック様式の教会の中でも、装飾の豪華さから重要な建築物のひとつと言えます。1693年の地震では、教会は全壊してしまっただけでなく教会の隣にあった寄宿舎に住んでいた約60人の修道者も亡くなったという悲劇的な天災でした。地震後に再興されたのが、現在の教会ですが、入り口にある大きな門が特徴的です。聖ベネディクトの物語が描かれています。内部にある色とりどりの大理石による床は、地震の瓦礫の跡から回収されたものを再利用しています。