カステルヴェッキオ博物館

Verona Museo di Castelvecchio ベローナ
カステルヴェッキオ博物館と中庭
ベローナ

建物の歴史

カステロヴェッキオ城は、14世紀にヴェローナを統治していたスカラ家によって12世紀に建てられた城壁の一部を使ってサン・マルティーノ・アクワーロ教会があった場所に要塞、逃げ道として建てられました。橋も同じ時期に建設されています。

16世紀のヴェネチア共和国の支配下の頃は、軍隊の兵舎、武器の倉庫として使われました。18世紀末から19世紀のはじめは、フランス軍のナポレオンを先頭にヴェローナも一時フランスの支配下になり、お城はフランス軍隊の訓練所兼兵舎になっています。その後オーストリア帝国、ハプスブルク一族に支配され軍隊の兵舎として使われました。
そして20世紀初期1923年から修復が始まり1930年にヴェローナ市の博物館・美術館になりました。

第二次世界大戦中、1944年には、現在図書館の2階のボッジャンの間でムッソリーニの娘婿チャーノの死刑執行の判決が下されています。お城の一部とスカリジェロ橋が終戦間際に連合軍によって爆撃され、スカリジェロ橋は1951年に再建されました。

一方、博物館(美術館)は1958年から72年まで数回にわたって建築家カルロ・スカルパの修復が行われました。お城の一部は、数年前までイタリア軍隊の士官、オフィサーズクラブのレストランとして使われていましたが現在空き家になっています。

現在は、市の図書館(芸術関係書類の保管室)と博物館が隣接しています。

Verona Museo di Castelvecchio
カングランデ騎馬像
Verona Museo di Castelvecchio
スカリジェロ橋

博物館のみどころ

建築物として最後の修復をした建築家カルロ・スカルパの跡が素晴らしいです。中世の古いお城の骨組みにモダンな素材を使ったリノベーションは、新旧うまく調和していて、まさしく古い空間に現代が存在します。

作品の置物、並べ方も面白く、順路を進んでいくと後ろ姿に置かれているチェチリア聖人の彫刻品がありますが、これはまず「しっかり後部を見ましょう」という意味が込められているのかのようです。

天井、敷物のような床、壁と床の間の空間、鉄製のドアのフレーム、窓から入る光やその他の繊細なディーテールがなんとも言えない落ち着いた魅力的な空間が広がります。美術品を鑑賞しながらこの素晴らしい空間も楽しんでください。

ヴェローナ・カードを持っている人は無料で入館できます。

Verona Museo di Castelvecchio
本館2階、チェチリア聖人像

館内の説明

ロマネスク様式彫刻の間(新館1階の横に吹抜けたホール)

ヴェローナ県内の教会その他から移された彫刻品が飾られています。石棺、特にさまざまな聖人像の簡素で厳しく恭しい顔の表情に圧倒されるでしょう。

ロマネスク様式絵画と国際ゴシック派絵画の間(城壁を超えた先、本館2階、3階)

郊外の教会のフレスコ画、下絵のデッサンなど。
代表的な作品はピサネッロの「聖母マリアと鶉」、アルティキエロの「聖母マリアと薔薇園」、トゥローネなど、この地域の重要な国際ゴシック様式絵画が集まっています。

初期ルネッサンス様式絵画からバロック様式絵画の間(新館の2階)

ヴェローナ県内の教会、貴族の宮殿などから移された絵画が飾られています。
代表的な作品は、カロートの「少年の肖像画」、ヴェロネーゼの「ベービアクア、ラッツィーゼの画」など、絵の構成、色使いが素晴らしいです。

Verona Museo di Castelvecchio
少年の肖像画 カロート作
Verona Museo di Castelvecchio
「ベービアクア、ラッツィーゼの画 」ヴェロネーゼ作

博物館内の外部

城壁上段が散歩路になっていてアディジェ川に向かって、スカリジェロ橋、サン・レオナルドの丘、ローマ劇場の丘など素晴らしい景色が見えます。そして当時の要塞の成り立ちなどがよくわかります。

このローマ劇場の丘の頂きからのパノラマは最高な絶景です。「Verona」という町の名前の由来は、その昔この辺りに一番最初に住み着いたと言われている民族 Veneti族からと言われています。彼らの言語でテラスの事を「Verone」といいました。テラスから観る絶景の町「Verona」と呼ばれるようになり町の名前になったというのも数多い、名前の由来の1つです。

Verona Museo di Castelvecchio
城壁上段の散歩路、散歩路からの景色

鑑賞時間は約1時間半です

この美術館にはヴェローナ県内の重要な芸術作品が展示されています。特に宗教関係の作品が多いです。

お城を建てたスカラ家一族の4代目君主「カングランデ」の騎馬像のオリジナルが美術館の新館と本館を遮る城壁の隣の新館側に展示されています。戦へ向かうカングランデが間近に見えます。

スタッフ

ベローナ在住者からのアドバイス 

ロマネスク様式彫刻と国際ゴシック様式彫刻と絵画に興味のある方へのおすすめスポットです。屋上まで行くのは疲れますが、市内と川を一望できる景色は必見です。受け付け後に荷物はロッカーに入れます。入場券は2階で再び切られるので、なくさないようにしましょう。  

ベローナ在住:黒崎 治子 スタッフ一覧

カステルヴェッキオ博物館の基本情報

名称 Museo di Castelvecchio(カステルヴェッキオ博物館)
おすすめ
住所 Corso Castelvecchio, 2, 37121 ベローナ
行き方 ベローナ中心地、ベローナ大聖堂から川沿いに徒歩16分、ジュリエットの家から徒歩14分
電話番号 +39 0458062611
休館日 なし
開館時間 月曜13:30〜19:30、火曜〜日曜日8:30〜19:30
入館料 大人8ユーロ、60歳以上6ユーロ、17歳まで無料
その他 ヴェローナ・カードを持っている人は無料
サイト https://museodicastelvecchio.comune.verona.it/