町の守護聖人の名を冠した、サン・マルティーノ聖堂
歴史的市街区内だけでも11もの教会があるマルティーナ・フランカの町。その中でもサン・マルティーノ聖堂(Basilica di S.Martino)はその内容、美しさ、立地共に、町の主要教会であり、町の中心であり、町の人々の心のよりどころです。また、ユネスコの平和文化メッセンジャーのモニュメントにも認定されています。
イタリアの町にはそれぞれカトリックの守護聖人が定められています。マルティーナ・フランカの守護聖人は2人おり、1人はこの聖マルティーノ・もう1人は聖女コマージアです。
夜のサン・マルティーノ聖堂も雰囲気◎。マルティーナ・フランカの町は治安も良いので、歴史的市街区近くに宿泊すれば、徒歩でサン・マルティーノ聖堂を始めとする、歴史的市街区の名所散策も気軽に楽しめます。
“白いバロックの町”の異名を象徴する美しい聖堂

白い石灰岩や大理石で作られたバロック様式の建物が多いため“白いバロックの町”という異名を持つマルティーナ・フランカ。中でもサン・マルティーノ聖堂は町を代表する美しい建物です。
聖堂内外に天使や聖人像、バロック様式の装飾が彫られています。内部に入ると聖マルティーノ像が中央祭壇に鎮座し、祭壇、壁、柱等には色大理石もふんだんに使われ、大変見事です。
1747年建立のこの聖堂は、2008年に17年にも及ぶ修復が終了。おかげで聖堂内部も美しく整えられ、痛みの激しかったフレスコ画も鮮明に見られるようになりました。
聖マルティーノについて

フランスはトゥールの司教だった聖マルティーノが、マルティーナ・フランカの守護聖人になった経緯ははっきりしていませんが、一時期シチリアやナポリを支配したフランスのアンジュー家の影響があるのではないか、と言われています。
常に貧しい人々のことを考え、行動した聖人として知られており、物乞いに自分の着ていたマントを割いて与えた有名なエピソードが、宗教美術に表現されることが多いです。
ここサン・マルティーノ聖堂にも、ファサード中央の彫刻、聖堂内部のステンドグラスやフレスコ画に、このエピソードが表現されていますので注目してみて下さい。
聖女コマージアについて

聖女コマージアが守護聖人になった経緯は、ローマはサンタニェーゼのカタコンベにあった遺骨を譲り受けた枢機卿が、マルティーナ・フランカに持ち運んできたことが始まりです。その道中は何度も大雨に降られ、聖マルティーノ聖堂に安置するまで一筋縄では行かなかったそう。
その言い伝えから“恵みの雨をもたらす聖女”として今も特に農家の方々から篤く信仰されています。
また、雨の少ない夏の時期に行われる守護聖人祭宗教行列にて「聖コマージアの像を掲げると雨が降る」と言われています。
聖堂内部の様子。私は(勝手に)“天使の聖堂”と呼んでいます。なぜなら数えきれないほどの天使でいっぱいだから。表情も材質も様々なので、お気に入りの天使を見つけてみては?
毎年盛大に執り行われる“守護聖人 聖マルティーノ祭”

毎年7月上旬に開催される“守護聖人 聖マルティーノ祭(Festa patronale di San Martino)”は老若男女問わず、町の多くの人々が参加し、とても盛大に執り行われます。 聖職者、宗教装束を身にまとった信者の方々、音楽隊等、大勢の人々の手で聖マルティーノと聖女コマージアの大きな像が掲げられ、町じゅうを練り歩いた後、サン・マルティーノ聖堂へ納められます。これらの像はお祭りの間、開帳され、多くの人々がお参りに訪れます。
2012年はマルティーナ・フランカに聖マルティーノの遺骨が納められて300年、という記念の年だったため、守護聖人祭に聖マルティーノのご出身地であるトゥールの司教もお招きし、特に盛大に行われました。
守護聖人祭では宗教装束を身に着けた町の人々や正装した警官が聖人像を掲げ、町じゅうを行進した後、聖堂に納めます。お祭りの期間、豪華なルミナリエが点り、移動遊園地も設置されます。
アーモイタリアの現地ツアー、送迎車サービス
南イタリアの「運転手付き専用車」を予約いたします
貸切チャーターの車で、バーリ、マテーラ、アルベロベッロなどを安全に効率よく移動できます。渡航前に予約して現地で安心・快適に旅しましょう。 日本人ガイドも同伴可能です。詳しくは「バーリ、マテーラ周辺のタクシー&ハイヤー予約」をご覧ください。


サン・マルティーノ聖堂の基本情報
名称 | Basilica di San Martino(サン・マルティーノ聖堂) |
---|---|
おすすめ | |
住所 | Piazza Plebiscito, Martina Franca TA, 74015 マルティーナ・フランカ |
行き方 | 歴史的市街区の入口に当たるサント・ステーファノ門(Porta di Santo Stefano)をくぐったら、そのまま道なりにメインストリートであるヴィットリオ・エマニュエーレ通り(via Vittorio Emanuele)を進むと見えてくる一番最初の広場、プレビッシート広場(Piazza Prebiscito)に面して建っています |
電話番号 | +39 0804306536 |
休館日 | なし |
開館時間 | 8:00-12:00 夏季:16:30-22:00 冬季:16:30-20:00 |
入館料 | 無料 |
その他 | |
サイト | http://www.muba-sanmartino.it/muba/la-basilica-di-san-martino/ |
サン・マルティーノ聖堂を訪れてみてください
聖堂の主、いつも優しい微笑を絶やさないフランコ神父は町の人々から「ドン・フランコ」と呼ばれ、敬愛されています。親日派でもあり、日本の旅行者のかたに聖堂の写真集をプレゼントすることも。拝観中にお見かけしたら“Buongiorno!”と挨拶なさってみて下さいね!イタリア在住:アーモスタッフ スタッフ一覧