中世の美しい聖堂
イタリアの他の街では、大聖堂は街の中心の広場にあるのが普通ですが、ルッカの大聖堂は街の中心から少し外れた場所に位置しています。鉄道駅を出てすぐに城壁の向こう側に見える鐘楼と建物が、このサン・マルティーノ大聖堂です。最初に建てられたのは6世紀の中頃ですが、建物は11世紀から13世紀にかけて何度も大きく改築され現在の姿となり、内部も14世紀に改装されました。
ファザード(正面部分)は、グイデット・ダ・コモによって13世紀初頭に完成されたもので、ピサの大聖堂の影響を受けたものですが、ルッカ独特のロマネスク様式の要素が加わり、より豪華な造りとなっています。上の部分はすべて異なるデザインの円柱が使われた3層のアーケードでできています。よく見ると、このファザードは左右対称ではなく、右側部分が小さくなっており、その横には鐘楼が密接して建てられています。この鐘楼には銃眼が備えられており、ピサやフィレンツェといった大国に囲まれて戦争を繰り返していたルッカの都市国家としての歴史を感じさせられます。
下の柱廊部分の壁には聖マルティーノに関する物語や月のカレンダーの浮き彫りが丁寧に施されています。また、一番右側の円柱には、迷路のものが刻まれています。なぜこのようなものが刻まれているのかははっきりと明らかにはなっていませんが、一説には、入るのは簡単だが出口を見つけるのが難しい迷路を人の人生に喩え、出口に向かって進み続ける私達の人生を象徴したものだと言われています。あなたもこの迷路に挑戦してみてはいかがでしょうか?

ルッカ大聖堂は内部も必見です
大聖堂の中に入ってみると、美しいステンドガラスや壮大な彫刻や絵画が並び、外からは想像できないような厳粛な空間が広がっています。
ここの聖具室には“イラリア・デル・カレットの墓”という墓石彫刻が納められています。この彫刻は当時の代表的な彫刻家だったヤコボ・デッラ・クエルチェによって1408年に作られたもので、イラリアは当時のルッカの実質的な支配者であったパオロ・グイニージの妻だった女性です。彫られた彼女の顔はまるで眠っているかのように安らかで美しく、足元には忠誠を象徴していると言われるうずくまった犬や側面には生き生きとした子供達が彫られており、イラリアへの想いが伝わってくるような墓石彫刻です。

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ルッカ大聖堂の基本情報
名称 | Duomo di San Martino(ルッカ大聖堂) |
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おすすめ | |
住所 | Piazza Antelminelli, 55100 ルッカ |
行き方 | ルッカFS国鉄駅から北へ徒歩9分 |
電話番号 | +39 0583490530 |
休館日 | 無休 |
開館時間 | |
入館料 | €3 |
その他 | 【ミサの行われる時間】 平日:9時~、17時~ / 土曜日:19時~ / 日曜日:10時30分~ 【聖具室への入場料】 2ユーロ |
サイト | https://www.museocattedralelucca.it/ |