シチリアの州都、パレルモ
イタリアで5番目に人口の多い街、パレルモ。その人口は100万人を超え、シチリア最大の都市です。シチリアというと1日で周れる程度の小さい島をイメージしている方も多いと思いますが、実は四国より大きく九州より小さい地中海最大の島。地中海のほぼ中心というその立地、肥沃な大地、温暖な気候と、人間が生活していく上でのほぼ全ての条件を満たすこの島は、太古の昔から多くの民族の羨望の地でした。様々な民族がシチリアを征服し、それぞれが独自の文化を残して去っていったことから、“文明の十字路”とも呼ばれています。そのシチリア最大の都市パレルモには数々の歴史の痕跡が残っています。
(イタリアの人口の多い都市、1位ローマ、2位ミラノ、3位ナポリ、4位トリノ、5位パレルモ、6位ジェノバ、7位ボローニャ、8位フィレンツェ、9位バーリ、10位カターニア、11位ベネツィア)
歴史
パレルモの語源はギリシャ語で“全てが港”という意味のPanormus(パノルムス)。東側を海、他3方を山で囲まれた非常に接岸しやすい地形で、そのため紀元前8世紀頃、フェニキア人の交易の拠点として街が成立しました。その後は古代ローマ帝国の属州となり、帝国崩壊後は一時蛮族に支配され、その後東ローマ帝国の支配下に置かれます。西暦831年、アラブ人によってパレルモが陥落されると、その後約300年に渡ってイスラム教徒による支配が続きます。その次に現れるのが北フランスのノルマンディからやってきたノルマン人たち。イスラム教徒と、それに続くノルマン人はパレルモを首都に定め、パレルモは繁栄を謳歌します。その後は神聖ローマ皇帝になったフェデリーコ2世を輩出したホーエンシュウタウフェン家、フランス・アンジュー家、アラゴン家、途中は端折りますが、スペイン・ハプスブルク家、スペイン・ブルボン家と続き、そして最後にイタリア統一となります。
観光ポイント
アラブ・ノルマン様式と呼ばれるノルマン時代の遺構が一番の見所です。が、歴史が物語るように、様々な文化が入り混じっています。アラブ風のクーポラがあったり、豪華なバロックの教会があったり、アール・ヌーヴォー風の建物があったり・・・。『ゴッドファーザー』の撮影に使われたマッシモ劇場は、ヨーロッパでも有数のオペラ劇場です。公園も多く、椰子の木は勿論のこと、巨大なガジュマルの木やカポックの木など、亜熱帯地方でしか見られない植物にも出会えます。日本人がイメージするヨーロッパとは、良い意味でも悪い意味でもちょっと違う、独特な雰囲気を持つ街がパレルモです。
豊かな食文化
パレルモの食文化の奥深さを物語るのが市場。アラブのスークのような混沌は上品さとはかけ離れていますが、色とりどりの野菜、果物、魚介、肉類の他、乾物や日用品まで並ぶ様子は圧巻です!豊かな食材を使った料理も独特で、アラブの影響を受けていると言われています。日本人にとっては魚介が豊富なのも嬉しいところ!そして忘れてならないのがドルチェ。日本人の味覚にはちょっと甘すぎるかもしれませんが、カンノーロやカッサータと言ったシチリア独特のお菓子は是非ご賞味あれ!はたまた甘いパンにジェラートを挟んだ、ジェラート・コン・ブリオッシュもお勧めです。なんていったて、シチリアはジェラート発祥の地ですから!
治安
シチリア=マフィアのイメージは強いですが、彼らには一般庶民や外国人観光客には興味がありません。ですからマフィアに対する心配は必要ないでしょう。それよりやはり気をつけたいのがスリ&引ったくり。パレルモが他の街と比べて格段に治安が悪いわけではありませんが、やはり旅行中は地図を見たり、写真を撮ったりと、注意が散漫になり勝ちです。市場などの人ごみや細い路地に入り込んでしまったりした時は、特に注意しましょう。暗くなってからの一人歩きも避けた方が賢明です。パレルモっ子たちも決してしません。自己責任で楽しく、安全な旅にして下さい。(旅行前は盗難対策のページを良く読んでおきましょう)
シチリア島の専用車が手配できます
日本から運転手付き専用車・貸し切りタクシーを手配しておけば、安心で安全な旅行になるでしょう。治安に不安があるシチリアを快適にサポートします。日本語メールでお問い合わせ・ご予約いただけます。詳しくは「シチリアのタクシー&ハイヤー予約」をご覧ください。
イタリア在住者からのアドバイス
観光ポイントはほぼ旧市街に集中しているので、徒歩でも十分まわれます。第2次世界大戦の爆撃の跡が未だに残っていたり、ゴミが道に散らかっていたりとか、日本の感覚とはちょっとずれてて驚くことも多いかも知れませんが、何でも楽しんでしまいましょう!海水浴場のモンデッロもすぐ近く、夏場だったら水着を忘れずに!シチリア州内各地との長距離バスも多いので、シチリア旅行の拠点としての価値も大きいです。イタリア在住:アーモスタッフ スタッフ一覧