サレルノでもっとも見逃せないスポットです
サレルノ旧市街から坂道を登っていくと、路地や階段の多い住宅街の中にひっそりとあるのが「ミネルヴァ庭園」。小さな看板が出ているだけなので、注意していないと見逃してしまいそうなこじんまりとした庭園です。でもこの庭園、実はサレルノの歴史や医学の思想が凝縮されているのです。
海と山に囲まれた風光明媚なサレルノの町。古くから医学研究が盛んに行われ、中世時代にはサレルノ医学校が建てらました。そのため保養地としても知られており、たくさんの人が療養のために訪れてきました。サレルノ医学校は現在「サレルノ大学」となっており、現存する大学の中でボローニャ大学に次ぐ古い歴史を持っています。
ハーブ療法の研究と学びの場であった「ミネルヴァ庭園」
サレルノの医学研究の場としてつくられたのが「ミネルヴァ庭園」。代々医師の家系であったマッテオ・シルバーティコ氏が、ハーブ療法の研究と医学生達の学びの場として建設しました。そのため、植えられているハーブや植物は全て医学研究のためのもの。観光や鑑賞用としてではなく、研究や療養のための植物が所狭しと植えられています。現在は382種類ものハーブが植えられており、日本でも馴染みがあるアロエやタイムなどをはじめ、中世の時代から薬草として使用されている珍しいハーブなども栽培されています。
四元素の思想によって構成された庭園
庭園は、テラスと段々畑のように連なった5つのパートから成っています。スタート地点でもある一階のスペースには、円型の花壇が四分割され、地面には「空気(ARIA)・水(AQUA)・土(TERRA)・火(FUOCO)」などの文字が書かれています。これは、古代ギリシアの数学・哲学者であるピタゴラスによる四元素(※)の考え方を基に、人間の健康や性格の要素であると考えられた四つの要素「熱さ(CALDO)・湿度(UMIDO)・冷たさ(FREDDO)・乾燥(SECCO)」が加えられたもの。18世紀頃までは、この考え方を基にハーブの調合や研究などが行われていたといわれています。今でもこの考え方は庭園の至る所に反映されていて、花壇だけではなく植物の詳細を示すプレートにも四元素を基にしたハーブの効用が記載されています。
(※)物体の構成要素は「土・水・火・空気」の四つであるとし、これらの要素が相互に転換しあって他のあらゆるものが作られているとする考え方。
見晴らしの良いテラスでゆっくり
ピタゴラスや四元素なんてなんだか難しそう…と思うかもしれませんが、実際に庭園を訪れてみると、難しいことは抜きでゆっくりとリラックスできます。丁寧に手入れされた敷地内には、心地よい日差しが差し、ハーブや植物が生き生きと茂っています。緑溢れる庭園からは海や旧市街を見渡す景色が広がっており、“庭園”というよりは丘に浮かぶ植物園と言った方がしっくりくるかもしれません。丘の中腹に位置しているため、見晴らしがとても良いのもミネルヴァ庭園の一つの魅了です。庭園内に併設されたテラスはカフェスペースになっており、ハーブティーを楽しめます。観光の合間に、風景を眺めながらハーブティーで休憩してみてはいかがでしょうか。
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ミネルヴァ庭園の基本情報
名称 | Il Giardino della Minerva(ミネルヴァ庭園) |
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おすすめ | |
住所 | Vicolo Ferrante Sanseverino, 1, 84121 サレルノ |
行き方 | サレルノ国鉄駅から西へ徒歩34分 町の中心にある、サレルノ大聖堂から西へ徒歩8分 |
電話番号 | +39 089252423 |
休館日 | 月曜日 |
開館時間 | 9:30~13:00 |
入館料 | 3ユーロ |
その他 | |
サイト | http://www.giardinodellaminerva.it/ |
イタリア在住者からのアドバイス
日本ではほとんど知られていないミネルヴァ庭園ですが、地元の人からはサレルノを訪れるなら欠かせないスポットとして人気です。ハーブ好きにも、サレルノ観光にも、おすすめですよ。イタリア在住:堂 剛 スタッフ一覧