ストラーデ・ヌオーヴェ(新道)とパラッツィ・デイ・ロッリ

ジェノバのパラッツィ・デイ・ロッリ ジェノバ

ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリとは?

「ストラーデ・ヌオーヴェ」は、16世紀、ジェノヴァ共和国が要職にあるお客様を迎えた際に、もてなすように指定した、ジェノヴェーゼ貴族の中でもより財力と権力を備えた者たちの豪奢な私邸が主に並んだ通りのことです。また、彼らの邸宅をまとめて「パラッツィ・デイ・ロッリ(ロッリの邸宅群)」と呼び、この要人もてなしの様式を「パラッツィ・デイ・ロッリのシステム」と言います。「Rolli(ロッリ)」という言葉は、「Rottoli(ロットリ)/筒状に巻かれたドキュメントで現存する建物に関する記録が記載されているものの名称」からきていて、要人のおもてなしの命を受けた貴族の私邸宅についても、このドキュメントに記載されていたことから、「パラッツィ・デイ・ロッリ(ロッリの邸宅群)」と呼ばれていると見られます。

施設と共に都市開発計画した例としては、ヨーロッパ初!

公的な権限によって計画され、その役割を割り当てられ、上院議会の通達を基本に、私邸宅を公的な歓待に用いる独特なシステムに結びついた唯一の例として紹介されています。その歴史的かつ美しい建築様式もさることながら、このような点もユネスコ世界遺産に登録されたポイントになるようです。また、この都市計画のモデルの影響は、後のイタリア及びヨーロッパ文学によっても明らかにされています。

パラッツィ・デイ・ロッリの建築的特徴

ルネッサンス様式とバロック様式のものを一緒に含め「ストラーデ・ヌォーヴェ(複数の新しい通り)」と呼ばれていますが、現在のガリバルディ通り(Via Garibaldi)に立ち並んでいる、より大きい邸宅群が位置する場所は、16世紀後半に貴族の居住地域として形成されました。一般的に3-4階建ての建物は、比較的限られたスペースにおいて、段々に造られた庭園、それに直面する華やかな大階段、中庭、柱廊が特徴的です。

有名なアーティストたちをジェノヴァに惹き付けたロッリのシステム

これらの邸宅は、大きさや美しさによって3段階に区分されていますが、客人の高位により、くじでどの邸宅でもてなされるかが割り振られていました。第1のレベルでは、枢機卿(カトリック教会で教皇に最も近い身分の人たち)・各君主・副王・植民地総督を、第2のレベルでは、封建領主や長官を、第3のレベルでは、下位の君主や大使、使節を受け入れ、歓待することが義務付けられていました。これらのもてなしを受けた客人たちが、地元に戻って「パラッツィ・デイ・ロッリ」の建築様式や文化について語ったことにより、有名なアーティストや旅行家たちは魅了され、自己の技量を提供するためにジェノヴァにやって来るようになりました。その重要な証拠の一つが、ここに残されていて、パラッツォ・ビアンコ(Palazzo Bianco/白い宮殿)で鑑賞できるピーター・ポール・ルーベンスの絵画コレクションなどになります。

有名どころを含めて42の建物がロッリに登録されてます!

パラッツィ・デイ・ロッリに指定されているものとして有名なものは、ガリバルディ通り(Via Garibaldi)に集中していますが、北西端はプリンチペ駅から伸びるバルビ通り(Via Balbi)に位置するパラッツォ・レアーレ(Palazzo Reale/王宮)、東端はコルヴェット広場(Piazza Corvetto)に面し、現在は県庁の建物として使用されているドリア/アントニオ邸、南端はポルト・アンティーコ(旧港)にほど近いデ・マリーニ-クローチェ邸と、42の建物がそれに指定されています。美術館として一般に公開されているもの以外に、その多くは官庁組織・各種銀行・一般オフィス・一般居住地として使用されていますので、全ての建物の中に足を踏み入れることはできませんが、地図を片手に町歩きをしながら、邸宅群の様式を鑑賞するのも、また味わい深いところです。

2006年7月13日よりユネスコ世界遺産に登録されたジェノヴァの見所スポットです。華やかな記念碑的ガリバルディ通りは、16世紀後半から17世紀前半のストラーデ・ヌオーヴェ(「新しい通り」の意)の中でも、特に一般公開されている美術館が複数位置している通りなので必見です!(2019年12月)

スタッフ

品の良いジェノバの魅力が集まっています 

外から眺めながら歩くだけでも、優雅で歴史的情緒が漂う邸宅郡の雰囲気を味わうことができますが、時間があったら好みの美術館を見学することをお勧めします。ジェノヴァの「五つ星/四つ星ホテル」としてもてなされた邸宅とはどんな造りか、感動・関心することも多いです。 

イタリア在住:堂 剛 スタッフ一覧

新道とパラッツィ・デイ・ロッリの基本情報

名称 Le Strade Nuove and Palazzi dei Rolli(新道とパラッツィ・デイ・ロッリ)
おすすめ
住所 Via Garibaldi, 12r, Genova GE, 16124 ジェノバ
行き方 徒歩:約15-20分。駅を出て右手のメインストリート9月20日通り(Via XX settmbre)を真っ直ぐデ・フェラーリ広場(Piazza De Ferrari)まで歩き、広場を右折して4月25日通り(Via XXV Aprile)を直進し、フォンターネ・マローゼ広場(Piazza delle Fontane Marose)につきあたったら左折し、直進するとほどなくガリバルディ通り(Via Garibaldi)へ到着

バス:デ・フェラーリ広場(Piazza de Ferrari)方面行き、17・18・18/・19・33・37・37/・39・40・46・47番に乗り、デ・フェラーリ広場(Piazza de Ferrari)/地下鉄デ・フェラーリ駅前で下車後、上記のように徒歩で

ジェノヴァ・プリンチペ駅より
徒歩:約15分。駅を出て、真っ直ぐ伸びるバルビ通り(Via Balbi)を直進し、ゼッカ広場(Largo della Zecca)で右折。カイローリ通り(Via Cairoli)を直進するとガリバリルディ通り(Via Garibaldi)に到着
電話番号 +39 0105572903
休館日 美術館は月曜日休館
開館時間 火-金 9:00-19:00
土日 10:00-19:00
入館料 €8
その他 パラッツィ・デイ・ロッリ見学ツアー
【日時】毎週土曜日15:30より
【所要時間】約1時間半(ガイドの方により時間超過もありえます)
【定員】25名
  【費用】1人つき10ユーロ
【説明言語】基本的にイタリア語ですが、各回につくガイドの方の素養により英語、フランス語説明が可能な場合もあります
【ツアー内容】毎回コースが異なり、建物内見学と建物の外観のみの見学を合わせて約4-5ヶ所を回ります
【予約アポイント】ストラーダ・ヌォーヴァ美術館ブックショップにて受付(定員数になり次第締め切り。定員に達していなけらば当日予約も可能です)
サイト http://www.rolliestradenuove.it/
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