リミニはイタリア中部、エミリア・ロマーニャ州最南の県です。
イタリア半島のちょうど付け根にあたるエミリア・ロマーニャ州。北はミラノに近いピアチェンツァ、南はマルケ州です。州内には9つの県があり、リミニ県が一番南の県となっています。人口は14万人で、東京の武蔵野市と同じ位です。また、リミニ駅からは、リミニ周辺の観光地や小さな町へ向かうバスが出ており、交通の要として常に人が往来しています。著名なイタリア人映画監督、フェデリコー・フェリーニ(Federico Ferini, 1920-1993)が生まれた町として、映画ファンの間でも有名で、映画フェスティバルが開催されています。
リミニの歴史はとても古く、紀元前6世紀までさかのぼります。
リミニはかつて古代ローマ帝国の植民地でした。リミニは中部イタリアに向かうフラミニア街道と、北イタリアに向かうエミリア街道をつなぐ要所として紀元前から代々の皇帝の関心を引きつけており、紀元前49年にはあのユリウス・カエサルが、「賽は投げられた」の言葉と共に北イタリアのルビコン川を南下し、現在のトレ・マルティーリ広場(Piazza Tre Martiri)であるアリミヌム(Ariminum)広場で演説を行ったと言われています。ユリウス・カエサルが演説の際に登ったと言われる岩は、現在もリミニで見学する事ができます。その後も、アウグスト皇帝、ティベリオ皇帝などによって色々な建造物が建てられました。今から2000年以上も前に作られた遺跡は、今もそのまま残っており、ローマ以外で最古の遺跡が残る町としても知られています。また中世に自治体となってからは様々な教会や歴史的建造物が建てられました。リミニと言うと、サンマリノ共和国への玄関口として知られている事も多いですが、リミニ自体も1日では見きれない程の観光スポットがあり、ぜひゆっくりと訪れてほしい町です。
夏の大・大・大リゾート地として知られているリミニ
リミニはイタリア半島東側のアドリア海沿いに位置し、夏の観光地としてヨーロッパからたくさんの人がバカンスに訪れるので、「イタリアのマイアミ」とも呼ばれています。6月から9月は、若い人からゆっくり海でバカンスを楽しむ家族連れなどで大混雑になります。海岸沿いにはホテルが並び、観光客は1カ月、2カ月という単位で契約をして長いバカンスをリミニで楽しむのです。各ホテルはきちんと区画された海岸を所有していて、パラソルとチェアーはレンタル式。ホテル代は、朝・昼食を含めた値段か、もしくは3食付きを選ぶ事もできます。また、ヨーロッパの各国から夏休みを利用してイタリア語を学ぶ若者がやってくるので、語学学校が多く、特に若者が集まる大リゾート地となります。彼らは午前中に語学学校へ行き、午後は浜辺でリラックス。夜は新鮮な魚を食べて、いざ!踊りに出かけるのです。イタリアの有名なクラブはリミニに集まっており、そのような場所に行くのも、若者にとっては夏の思い出の一つのようです。海岸沿いは散歩する人やお酒を楽しむ人で賑わい、夜通し眠らない町となります。日本人にとっては、なかなか長期のバカンスを取る事は難しいのですが、もちろん1泊からでも宿泊は可能です。
見本市開催でも知られています。
リミニ見本市(RIMINI FIERA http://www.riminifiera.it/)は、ピアチェンツァ、ボローニャ、パルマなどと同様に、エミリア・ロマーニャ州を代表する見本市開催地として注目を浴びています。60年という長い歴史を持ち、年間37の見本市が開催されます。そのうち国際見本市は11で、世界各国から出品者、見学者が訪れています。観光地を代表するリミニらしく、見本市の内容もトラベル関係、ホテル設備関係、食品関係、テクノロジーの4つに分かれています。中でも食品関係では、より健康志向を目指す食品、各アレルギーに配慮された食品が紹介される見本市、またテクノロジー関係では、パソコン本体、パソコン周辺機器の各部品のリサイクルやエコロジーを意識した技術を紹介する見本市が注目されています。日本からも訪れる人が多く、巨大な敷地の中には国鉄の駅もあります。
イタリア在住者からのアドバイス
夏のリミニのホテルは、毎年月単位で借りる常連さんがたくさんいるので、早めに予約するのがいいです。時間を忘れて海でゆったり過ごし、晩は新鮮な魚を食べて、その後はジェラートを食べながら散歩してください。素晴らしいバカンスになるでしょう。モデナ在住:星畑 聡子 スタッフ一覧