大昔から代々伝わる秘薬
バルサミコ酢の歴史はとても古く、大昔からモデナ~レッジョ・エミリア地方の各家庭の屋根裏部屋で代々作られていたものでした。現在は「モデナの伝統的バルサミコ酢」としてモデナが産地としては有名になっていますが、実はモデナのお隣の町レッジョ・エミリアが発祥の地と言われています。
バルサミコとは、イタリア語で「芳香性のある、かぐわしい」という意味で、薬が高価だった時代は薬代わりに使われていました。その他、媚薬や毛はえ薬としても使われていたと言われています。
伝統的バルサミコ酢とは
バルサミコ酢とは、ブドウ果汁を煮詰めて発酵させ、木の樽で熟成させせて作る果実酢の一種です。バルサミコ酢を熟成させる木の樽は、オーク、栗、桜、桑、クルミなどが使われ、熟練された樽職人によって一つ一つ手作りで作られます。
私達が普段見る安いバルサミコ酢は、添加物を加えることを許された大量生産用のもの。サラダ用に毎日使うのに最適です。一方、トラディツィオナーレ(伝統的)・バルサミコ酢とは、添加物の使用が一切認められておらず、昔ながらの伝統的製法で作られたもので、ブドウの種類、熟成方法などが法によって細かく決められています。
イタリアの中でも、モデナとその隣町のレッジョ・エミリア近郊で作られたバルサミコ酢だけが、トラディツィオナーレ・バルサミコ酢と呼ばれ、熟成期間は最低でも12年。熟成期間が長くなればなるほど、蜜のようにトロリとして甘みのあるバルサミコ酢になります。
伝統的バルサミコ酢の使い方
トロリとした食感の伝統的バルサミコ酢。どうやって使えばいいのか分からない、という人も多いのでは?
12~15年の比較的サラッとしたバルサミコ酢は、サラダや野菜のオーブン焼き、茹で野菜など、オリーブオイルと一緒に野菜にかけるとおいしいです。その他、バルサミコ酢のリゾットに使ったりもします。
25年のトロリとしたバルサミコ酢は、お肉や魚料理に使います。使い方は簡単。火を通したお肉やお魚に、食べる直前に2~3滴垂らしてください。温かいものにかけるとフワッといい香りが立ち上り、食欲をそそりますよ。その他、ジェラートやイチゴなどにかけてもおいしいです。
安いバルサミコ酢を高級な味に近づける方法
安いバルサミコ酢を小鍋に入れて火にかけ、半分の量になるまで煮詰めます。つんとした酢の酸味が抜けて、まろやかな味になります。レストランでもやっているというこの方法、一度試してみてくださいね!
ぶどうを煮詰めただけの天然甘味料「SABA」
バルサミコ酢の製造工程で、まずはぶどうを搾ったものを半分ほどの量になるまで煮詰めるのですが(煮詰めたものをモストコットと言います)、そのまますぐに瓶詰めしたものが売られていることがあります。「SABA」と呼ばれるもので、原材料はぶどうだけの、まさに天然の甘味料。ぶどうの優しい甘味が口の中いっぱいに広がります。
モデナの辺りでは、こどもがヨーグルトにかけておやつに食べたりするそうです。バルサミコ酢に比べると値段も安く珍しいので、お土産にもピッタリ。見かけたら、是非味見してみてくださいね。
生ハム・チーズ工場のグルメ・ツアー
現地日本人の案内と専用車で、パルミジャーノ・チーズ工場や、高級バルサミコ酢の製造所などを巡ります。美味しいレストランにもご案内可能で、食に興味ある方なら大満足のツアーです。完全個人ツアーですので、1名様からお好きなコース・時間で開催可能です。他にもサンマリノ共和国や、フェラーリ博物館なども組み合わせ可能です。パルマ・モデナ担当:星畑 聡子 スタッフ一覧