マントバについて
古代ローマ最大の詩人、ヴィルギリウスの故郷であるマントバ。
人口約48000人の小都市であるマントバ市はロンバルディア州の南東にあるマントバ県内の県庁所在地です。マントバ県はヴェネト州とエミリア・ロマーニャ州との州境に位置しています。2012年の地震後さまざまな建造物が修復され、かつて靴製造工場、プラスチック製造工場をはじめ石油精製所で経済的に発展していた街は近年、観光名所として世界的に名が知れるようになりました。
街はイタリア最大のガルダ湖から流れ出るミンチョ川によって形成された3つの湖に囲まれています。ルネッサンス期を象徴する街として2008年に隣街、サッビオネータと共に世界遺産に登録されました。
A22の高速道路、マントバ北出口から街へ向かうと橋の向こうに見えてくる街並みは見事でルネッサンス期にタイムスリップしたかのように街に入っていく感じになります。
ミラノやヴェローナからの日帰り旅行に丁度良い大きさで、郷土料理のトルテッリーニを味わったり神話の世界に魅せられたり地元の生活感が漂う活気あるマントバの街が満喫できます。
マントバの見所
ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)
中世期、ルネッサンス最盛期にマントバを約380年間統治し、富と権力、見識あったゴンザーガ一族の邸宅であったドゥカーレ宮殿は見事です。35000平米の敷地のドゥカーレ宮殿内には、国際ゴシック派で有名なピサネッロ作のフレスコ画、ルネッサンス期のマンテンニャ作「結婚の間」、ヴェネツィア派ティツィアーノの作品、ラファエルロの下絵から作られた豪華なタペストリーの織物、ジュリオロマーノ作「トロイの間」などがあり、7つの庭園、8つの中庭、500部屋以上ある壮大で豪華な建造物です。ゴンザーガ一族の富の豪華さが実感できます。
テ宮殿(Palazzo del Te)
5代目マントバ侯爵、フェデリコ2世が愛人と過ごす為に造ったテ宮殿はマニアリズム様式初期のジュリオ・ロマーノ作で迫力ある装飾を観に世界中から観光客がやってきます。中でも転身物語の「アモーレとプシュケの間」と「巨人たちの間」は見逃せないです。
ビビエーナ劇場
1769年12月3日にオープンした劇場は、科学学問のアカデミア会の会合所としてビビエーナ建築家によって建造されました。1770年1月にモーツァルトも訪れています。かわいらしいサイズで優美なビビエーナ劇場もぜひ覗いてみたい名所です。
サント・アンドレア教会
鉄道駅の方から歩いてウンベルト1世通りを真っ直ぐ進むと正面にルネッサンス様式の美しいファサードの教会が見えてきます。レオン・バッティスタ・アルベルティ建築家によって建造されました。内部には、ローマ兵ロンジーノが所持していたキリストの聖なる血が保管されています。入って左側の最初の礼拝堂には、ゴンザーガ家宮廷内で生涯を過ごした画家アンドレア・マンテンニャのお墓があります。
ゴンザーガ家について
約380年間でゴンザーガ一族の19人の君主がマントバを統治しました。彼らの富と権力のポイントは大地を所有していた事、馬を飼育していた事、ヨーロッパ中の王公貴族と親戚関係を結んだ事、息子の1人は聖職者にした事、芸術、文芸、学問への関心をつねに持っていた事と言われています。
1328年、ボナコルシ家との戦いで勝利を得て統治を始めたルイジ・ゴンザーガからはじまって、1代目マントバ侯爵ジャンフランチェスコはフェラーラで仕事をしていたピサネッロを招いて宮廷内を当時はやっていたアーサー王の物語をフレスコ画で飾りました。
君主の死で未完成。2代目マントバ侯爵ルドヴィコ2世はパドヴァ出身の画家アンドレア・マンテンニャを宮廷に招いてサン・ジョルジョ城に家族の肖像画を描かせました。彼の次男フランチェスコは、17歳の若さで枢機卿になったと言われています。
4代目マントバ侯爵フランチェスコ2世の夫人、ルネッサンス期の才女イザベッラ・デステはレオナルド・ダヴィンチを招いて肖像画を依頼したのですが、報酬額が低くてデッサンのみで終わってしまいました。その息子、1代目マントバ公爵フェデリコ2世は城壁の外に愛人イザベラ・ボスケッティと過ごす離宮をラファエルロの弟子であったジュリオ・ロマーノに設計と内部の装飾を依頼しました。彼の孫、4代目マントバ公爵ヴィンチェンツォの時代にクレモーナ出身のモンテヴェルディ作、オペラ「オルフェイウス」が宮廷内で上演されました。
その他、ゴンザーガ家の宮廷にはヨーロッパ中の王公貴族の方々が訪問しています。中でも神聖ローマ帝国皇帝カール5世はマントバへ2回訪問してテ宮殿を大変気にいられたと言われています。
1707年、ハプスブルク家の支配下によってゴンザーガ家の統治が終わりました。
ゴンザーガ家の芸術品の富の9割は現在、世界中の博物館、美術館、個人のコレクターが所有しています。
マントバでぜひ食べたいもの
モスタルダ(Mostarda)
フルーツのシロップ漬けにマスタードがきいています。このフルーツ入りモスタルダと一緒にハムやチーズなどを食べます。フルーツの甘さとマスタードの辛さがバランス良くお肉やチーズにとっても合います。
トルテッリーニ(Tortellini)・アンニョリーニ(Agnolini)
地元のレストランのメニューに必ずある肉入りの薄い生地のトルテッリーニパスタのセージ風味バターソースが有名です。
カボチャ入りトルテッリ(Tortelli di zucca)
マントバ産のカボチャとリンゴのモスタルダを詰めたトルテッリパスタ。カボチャの甘さとマスタードの辛さが丁度良いバランスでとても美味しいです。
スブリソローナ(Sbrisolona)
アーモンドと小麦粉とバターからできているスブリソローナ菓子。バタークッキーのような感じでグラッパ(葡萄の蒸留酒)をかけても美味しいです。
マントバへのアクセス
- 列車でミラノ中央駅からトレノノルド・レジョナーレでマントバ駅まで約2時間。
列車は約2時間おきにでています。 - 列車でヴェローナ・ポルタ・ヌオヴァ駅からレジョナーレでマントバ駅まで約50分。
列車は約1時間おきにでています。 - その他、モデナ、クレモーナからも列車がでています。
マントバ駅から歴史地区は徒歩で10分程ですので、地元の様子を楽しみながら観光ができます。
現地集合もベローナから同行も可、公認ガイドとマントバ観光いかがですか。
ドゥカーレ宮殿、ビビエーナ劇場、エルベ広場、サント・アンドレア教会など
テ宮殿、サント・アンドレア教会、エルベ広場、ビビエーナ劇場など
ベローナ在住:黒崎 治子 スタッフ一覧
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