世界で一番美しい海岸
ナポリの南、カンパーニア州にあるソレントからサレルノまでの全長40キロの海岸線は、コスティエラ・アマルフィターナ(Costiera Amalfitana)と呼ばれ、世界でもっとも美しい海岸線と言われています。ティレニア海、ソレント湾を望む入り組んだ海岸は、1997年にユネスコの世界遺産(文化遺産)にも登録されました。
急カーブが続く海岸線は道がとても狭く、バスで行くと窓から下は断崖絶壁という光景が味わえます。狭いカーブ手前では派手にクラクションを鳴らして勢いよく走り抜ける様は、まるでジェットコースターに乗っている気分。バスに乗るときは方向を考えて、かならず海側の席を確保しましょう!切り立った崖は吸い込まれそうで、コバルトブルーの海と緑茂る山がとても美しいです。
アマルフィ海岸の宝石のような町
海岸線には美しい町が点在しています。切り立った崖に張り付いたような町はとてもかわいらしく、まるで海に落ちないように踏ん張っているかのよう。。。パステルカラーで彩られた民家が密集していて眺めるだけで心躍ります。
西のソレントから東のサレルノにかけて、ポジターノ(Positano)、プライアーノ(Praiano)、フローレ(Furore)、アマルフィ(Amalfi)、ラヴェッロ(Ravello)、ミノーリ(Minori)、マイオーリ(Maiori)、ヴィエトリ・スル・マーレ(Vietri sul Mare)と珠玉の町が続いています。
途中アマルフィの西にあるコンカ・デイ・マリーニ(Conca dei Marini)の近くにはエメラルドの洞窟(Grotta di Smeraldo)という美しく奇妙な洞窟もあります。
海洋都市アマルフィ
アマルフィの起源は実は古く、古代ローマ時代までさかのぼります。海に面していた上、海岸線が入り組んでいたため、外敵の進入を防ぐのに適していました。839年にはナポリ公国から独立してアマルフィ公国となって、さらに勢力を広げ、イタリアの商業の中心地として地中海貿易を支配しするまでになりました。その後、ヴェネツィア、ジェノヴァ、ピサなどの海洋都市国家が力を付け、ピサ人の侵略を受けてアマルフィの繁栄は終焉を遂げるのです。不運なことに1343年の嵐では都市の大部分が破壊され、土地が海中に沈んでしまいました。
現在はその温暖な気候、美しい街並み、風光明媚な景色で世界中の人々を魅了し、イタリアで屈指のリゾート地として名をはせています。
アマルフィ海岸の起点はアマルフィの町
アマルフィ海岸の観光起点となるのが、このアマルフィの町でしょう。バスもしくは船で着く港のすぐ正面に町への入り口があります。すぐ右手に、美しい階段の上に鎮座するドゥオモがあり、その下には活気溢れる美しい広場があります。
町は小さく徒歩で十分観光できますが、お店やお土産屋さんも多く十分楽しめます。また白い建物が入り組む裏道を入るとまるで迷路のようでとても面白い。町の中はほとんど車が通らないということもあって、安心してゆったりと散策できます。
映画「アマルフィ 女神の報酬」で一躍注目を浴びる
2009年に公開された、織田裕二主演の映画「アマルフィ 女神の報酬」でふたたびアマルフィ海岸に注目が集まりました。フジテレビ開局50周年記念作品として、日本映画初のオールイタリアロケが敢行されたことも映画を盛り上げましたね。
主なロケ地として、ローマのスペイン階段、サンタンジェロ城、カピトリーニ美術館、コロッセオ、テルミニ駅、フィウミチーノ空港、そしてアマルフィ海岸のアマルフィ、ポジターノ、ラベッロで撮影が行われました。
映画の評価はとても高く、ストーリー性があって、サスペンス映画として成功を収めました。イタリアで撮った映画ということで、観光プロモーション映画ではという前評判もありましたが、実際は話が面白く、展開もスピーディで、クオリティの高い娯楽映画となっています。アマルフィ海岸に観光に来る前に一度見ると良いでしょう。
アマルフィの現地ツアー、送迎サービス
アマルフィ海岸の個人ツアーもあります
カプリ島やイスキア島、アマルフィ海岸などを快適に観光するツアーあります。現地在住で日本語で案内してくれるので話しを聞くのも面白くて安心。個人で楽しくアレンジしてくれます。詳しくは「ナポリ近郊ツアー」をご覧ください。
イタリア在住者からのアドバイス
アマルフィ海岸はとても美しくって、ぜひぜひ長期滞在をして欲しいです。1泊程度だと後で後悔しますよ。でもレンタカーを借りて旅行はちょっとハードルが高いでしょう。バスに乗ってスリリングな気分を味わって、ちょっと豪華なホテルに泊まって、おいしい地元料理を満喫してください。町歩きだけでも楽しいし、海でのんびり過ごすのも良いでしょう。アマルフィ海岸の町はどこも美しいですが、一番のお気に入りはアマルフィです。アマルフィを起点に、ポジターノやラヴェッロなどを観光するのがお勧めです。イタリア在住:堂 剛 スタッフ一覧