教皇選挙『コンクラーベ』はここで誕生した

ヴィテルボ
美しい鐘楼のあるヴィテルボの大聖堂。この聖堂の隣にコンクラーベが行われたロッジャがあり、向いには教皇の住居があります。まさに教皇の町ですね。

ヴィテルボ
ドゥオモの中は白い大理石で広々としていてとてもシンプルです。

ヴィテルボ
ここがコンクラーベ発祥のロッジア。眺めはいいですが屋根もなくなっていて生活するには辛いですね。

ヴィテルボ
普段は鍵が閉まっているコンクラーベの間も運がいいと入れることがあります。通常はガイドを頼むと鍵で開けてくれます。

ヴィテルボ
ドゥオモ内部の柱の装飾。

教皇選出会議、ヴィテルボと関係の深い「コンクラーベ」

2005年4月、当時の教皇ヨハネ・パウロ2世が逝去して、ベネディクト16世としてラツィンガー枢機卿が選出されたことは、まだ記憶に新しいと思います。その時に日本でもテレビにさんざん登場したキーワードが『コンクラーベ』。根比べとかけて記憶した人も多いと思いますが、これは教皇選出会議のことです。ちょうどその時、「ダ・ヴィンチ・コード」が世界で7000万部発行されベストセラーとなりました。その作家ダン・ブラウンの一作目となるのが「天使と悪魔」でローマ教皇選にまつわるミステリーです。ここヴィテルボともとても縁が深いのです。

投票が決まるまで外出厳禁ですよ!

現在のコンクラーベはローマ教皇庁(バチカン)にあるシスティーナ礼拝堂で行われます。ミケランジェロの「最後の審判」の天井画で有名な広間ですね。その礼拝堂に世界の枢機卿たちが集まって、3分の2の得票者が現れるまで長いときは何ヶ月も投票が繰り返されるのがコンクラーベです。まさに根比べのような忍耐が必要です。
投票により教皇が決まらなかった場合は黒い煙、教皇が決定した場合は白い煙が煙突から出て、外部へと結果が知らされます。なぜならコンクラーベは完全な密室にて行われ外部との接触は全て禁止されています。枢機卿たちは携帯電話も電子手帳も、ラジオも新聞ですら持ち込みできないと言われています。
通信技術、ITの発達した現在は特に管理が難しいといわれ、世界一のセキュリティーで内部情報が守られると言われています。セキュリティーのプロと、なんとか内部の音声を盗聴しようとするメディアや裏社会との戦いとなっているようです。

初めて鍵が掛けられたのが、ここヴィテルボです

コンクラーベ(Conclave)とはラテン語に由来していて「鍵のかかった(con clavis)」という意味です。そしてこの言葉が生まれたのが1268年のヴィテルボです。当時の教皇クレメンス4世がヴィテルボで没しました。新教皇選出の有権者は18人でしたが、意見が分かれ3年間教皇不在の期間が続きます。何ヶ月も新しい教皇が決まらないのは、枢機卿たちが自由に出歩き、外部の人びとと接触しているのが原因と考えたヴィテルボの住人は怒りを爆発させます。そして選挙会場である司教館に枢機卿たちを鍵を掛けて閉じ込めたのです。外部との接触を絶たせ、食料もパンと水だけを差し入れ、さらには食事量も減らしていきました。そしてついに1271年9月、6人の枢機卿の妥協によって、イタリア人の教皇グレゴリオ10世が選ばれたのです。
その歴史的な舞台になったのがヴィテルボの町で、司教館(Palazzo dei Papi)も鍵の掛けられた開廊(Loggia)も当時の姿で残っています。

ローマ、ヴィテルボを旅する際は、本を読んでくると何倍も楽しいです!

コンクラーベでは予想される次期教皇候補が落選して、予想外の枢機卿が選出されることもあるそうです。これぞ密室の不思議ですね・・・。
映画の撮影も開始されたというダン・ブラウン原作の「天使と悪魔」を読んで、作中に登場するローマの各教会、キーモニュメントとなるベルニーニ作の彫刻群、バチカン宮殿、サン・ピエトロ広場、オベリスク、そしてヴィテルボの美しい町を回るのも、新しい発見にあふれ面白いと思います。
実際には小説のようなサスペンスがあったかは不明ですが、何百年も変わらぬ姿の建造物を見ると背筋がぞくっとしてきます。。。

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オルヴィエート担当 堂 剛
フィレンツェ在住者からのアドバイス

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フィレンツェ在住・堂 剛



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