ボローニャの2つの斜塔

ボローニャの2つの斜塔 ボローニャ
ボローニャの2つの斜塔

塔の町・ボローニャ

イタリアで塔の街として知られるサン・ジミニャーノですが、実はボローニャにも12~13世紀の頃には100本もの塔がありました。有力な一族は防衛のためだけでなく、より高い塔を建てる事で自らの権力と資財を誇示し互いに競い合ったのです。落雷や戦争で現在は24本となってしまいましたが、ボローニャのシンボル、二本の斜塔は健在です。

ピサにも負けない斜塔

ガリゼンダの塔の高さは47m、アジネッリの塔は97.30m。斜塔として有名な「ピサの斜塔」ですが、それよりも60年ほど早い1119年には二つの塔が完成し、ガリゼンダは当時から斜塔として有名でした。低い方のガリゼンダは傾きが顕著で3.22m、実際に登ることのでいるアジネッリの塔も実は2.23m傾いています!共に12世紀初期のものですが、アジネッリの塔の土台の城塞は1488年に護衛のために新たに作られました。

ダンテも魅了されました

ヨーロッパ最古のボローニャ大学で学んだとされる偉大な詩人ダンテも当時まだ60mあったガリゼンダの傾きに魅了されたのでしょう。『神曲・地獄篇』の中でダンテが巨人アンタイオスをガリゼンダの塔に例えたことを記念する石碑が塔の下に掘り込まれています。

Qual pare a riguardar la Garisenda
sotto ‘l chinato, quando un nuvol vada
sovr’ essa sì, che ella incontro penda;
tal parve Anteo a me che stava a bada
di vederlo chinare..
Dante XXXI

日本語訳:ガリゼンダの塔は傾斜している方から見あげると、雲がその上を通るごとに、手前に倒れてくるような印象を受けるが、アンタイオスが腰を屈めた時、見まもっていた私には同じような気がした、一瞬あまりの恐ろしさに別の道を行きたいと思ったほどだ。
(『地獄篇』第31歌136~141、平川祐弘訳)

守護聖人サン・ペトロニオ

2つの斜塔の間に立つ像は、ボローニャの街の守護聖人、サン・ペトロニオです。手には鍵を持ち、足元にはボローニャの街、斜塔を見ることができます。

スタッフ

歩きやすい靴をご用意ください 

97m、498段の階段を登る体力の自信のある方は是非チャレンジして見て下さい。レンガ一色の街並みと西側を囲むボローニャの丘が見渡せます。 ゆっくり登っても10分~15分くらいで登れます。但し片道498段ある階段の後半部分は木造で階段も幅も狭く滑りやすくなっているので、歩きやすい靴が必須です。高所恐怖症の人にはお勧めできません。
学生時代に塔に登ると卒業できないというジンクスがあり、ボローニャ大学の学生の街ならではの言い伝えもあります。私も学生時代に何度か登りましたが無事卒業できましたのでご安心を。 

ボローニャ在住:吉森 恵子 スタッフ一覧

ボローニャの斜塔の基本情報

店名 Le due Torri: Garisenda e degli Asinelli(ボローニャの斜塔)
おすすめ
住所 Piazza di Porta Ravegnana, 40126 ボローニャ
行き方 マッジョーレ広場からリッツォーリ通りを下り徒歩2分
電話番号
定休日 なし
営業時間 夏季(3月1日~11月5日):9:30-19:30(最終入場18:30)
冬季(11月6日~2月28日):9:00-17:45
その他
  • 2017年8月より事前予約が必要となりました。マッジョーレ広場のインフォメーションで予約もしくはオンラインで事前に予約してください。
  • ガリゼンダの塔には登れません。
サイト https://www.duetorribologna.com/
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