アレッツォの革工房「La bettega del cuoio」

全て職人さんの手作りです

革製品といえばフィレンツェが有名ですが、アレッツォにも数軒革製品のお店があります。その中でも私がお勧めするのは革工房という意味のラ・ボッテガ・デル・クオイオです。オーナーと息子さんの二人でカバン、ベルト、財布、靴、小物などを作っています。

大聖堂と聖フランチェスコ教会の間

聖フランチェスコ教会（Basilica di S. Francesco）を背にしてチェザルピーノ通り（Via Cesalpino）の坂を登っていくと、大聖堂に着きますが、お店は坂のちょうど真ん中あたりのデッラ・フィオライア通り（Via della Fioraia）と交わる角にあります。手書きのLa bottega del cuoioという文字とカバンと靴の絵が描かれた看板が目印ですよ。

小さいお店にステキな製品が所狭しと並んでいます

お店は小さな部屋が２つつながったような構造で、壁に沿って作られた棚に、カバン、ポシェット、財布、小銭入れ、手帳、サンダル、ブーツ、靴、ベルト、ブレスレットなどが並んでいます。皮の色の美しさを生かしたシンプルなデザインが多いですが、編み込み風のベルトや、バラの焼印が入ったような模様が美しいカバンなどもあります。お店のホームページでは製品のカタログもあるので、写真に撮った以外のものも見ることができますよ。全ての製品は手作りで、創業以来続いている作業工程のおかげで、美しいだけでなく長持ちするのが特長です。

人にあげるのはもったいないから自分用のお土産に（笑）

お土産に手頃な値段なのは、カラフルで太さもいろいろなブレスレット(2,5～15ユーロ)か、定番のキーホルダー(10ユーロ)ですね。キーホルダーはショーウインドウに置いているので、気に入ったものを指差して出してもらいましょう。
でも、このお店ではぜひ自分用に旅の記念になるものを購入してください。革製品は使ううちに色合いが変わって味が出てくるので、何年も経ってからでも見るたびに「ああ、これはアレッツォで買ったんだ。旅行楽しかったなぁ。」と思い出させてくれますよ。
オススメはベルトで、お店には幅の細いものから太いものまで色もデザインもたくさんの種類があるんですが、私がこれまでに自分用に購入したのはシンプルな穴あきのものと編み込み風の２種類でどっちも愛用してます。職人さんがいるお店ならではのサービスで私が助かるのは、ベルトの長さをその場で調節してもらえることです。ものの数分で金具の付いている根元の部分をいったん外して切ってくれるので自分にぴったりの長さが実現できますよ。

使う革にもこだわっています

創業者のアントニオ・カッペッロ氏は、若い頃に中東からインド、ネパールまで旅行をした際に、現地の職人が道端の工房で非常に巧みに全ての工程を完全に手作業で行っていたのに魅せられて、旅から帰ってきて1975年にアレッツォで手作業の皮製品の工房を開いたそうです。 工房を開いた当初はトスカーナのなめし皮は現在のようにたくさんの種類の色がなかったんですが、歳月と共にピサからフィレンツェ地方一帯のなめし皮の生産・加工技術が改良し、植物由来のタンニンを使った有害物質を含まない特殊ななめし皮を使うことが可能になりました。この植物由来のタンニンは、環境を守るだけでなく、皮を自然の状態に近づけると共に独特の性質を与えるので、快適さ・美しさ・多様な使い方を可能にし、出来上がった製品に統一感が出るんですね。

ボッテーガ・デル・クオイオの基本情報